内容説明
なぜいま集団安全保障なのか。左翼の夢想と右翼の妄想を排したリアル軍事論。
目次
軍事というパラドックス
第1部 軍事の変遷(軍隊と平和;総力戦の時代;核と冷戦の時代;新たな脅威の時代)
第2部 世界秩序をめぐる各国の動向(揺らぐ核の抑止力;北朝鮮という脅威;中国の軍事力;現代の帝国アメリカ;ロシアおよびその他の地域)
第3部 日本の軍事(二一世紀の日本の安全保障;集団的自衛権と集団安全保障;部隊(自衛隊)の運用)
これからの自衛隊
著者等紹介
冨澤暉[トミザワヒカル]
昭和13年、東京生まれ。都立日比谷高校・防衛大学卒。昭和35年3月自衛隊に入隊。戦車大隊長(北海道上富良野町)、普通科連隊長(長野県松本市)、師団長(東京都練馬区)、方面総監(北海道札幌市)、陸上幕僚長(東京都港区)を歴任。その間に各種幕僚、研究職に就く。退官後は、東洋学園大学理事兼客員教授として、安全保障、危機管理等を担当。平成27年3月、教職を辞し現在同大学理事兼名誉教授。日本防衛学会顧問。財団法人偕行社副理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yo
8
基礎的な軍事論を網羅的に論じる。ナポレオンから現代にいたるまでの軍事の変遷を整理した後、現代の主要各国動向を解説、最後に日本の今後の指針を提示する。外務省や防衛省に入って日本の為に頑張りたい人は、本書に書かれている安全保障観を持っていると非常に良い仕事ができそう。気になった点としては、「日本の平和を守るためには、世界の平和を作り出さなければならない、それに貢献するためにこそPKO等の活動や、集団安全保障体制の構築をすべき」とする筆者の論である。2016/03/12
Francis
8
元陸上幕僚長による現代における軍事の実態をわかりやすく解説した本。集団的安全保障と集団自衛権の違い、専守防衛の問題点、自衛隊の訓練の実態などがよく分かる。核抑止が機能しているが故に核廃絶はほぼ不可能とするなど、受け入れがたい部分もあったりするのだが、もはやこのくらいは知った上で日本の安全保障を考えなければいけない時期になっていると言えよう。安易な中国脅威論には与さないなど、割と抑制的に書かれているのも良し。2016/01/21
Haruka Fukuhara
7
元陸上幕僚長の手による軍事論。帯に曰く「軍事の実際をもっともよく知る人が語る良質の安全保障論、それが本書である。」(五百籏頭真先生)とのこと。冷静な記述でなかなか興味深い。>軍事とは人間社会固有の概念です。したがって、軍事について考える際には、私たち人間の本質をまずは押さえておかなければなりません。すなわち「闘争本能」と「闘争回避本能」という人間固有の矛盾した特性です。2017/04/09
hk
6
”自衛隊では熾烈を極める訓練で年平均25人の殉職者を出している” あとがきに刻まれていた文言だ。「現在まで自衛隊員の戦死者はない」と盛んにメディアは報道するが、訓練殉職死は滅多に報道されないため本書で初めて知ることとなった。PKO活動などで自衛隊員から戦死者が出ないのは運がいいからと言われたりもするが、実際にはこうした弛まぬ努力の賜物であろう。”専守防衛”という制約のもと戦闘行為に挑まざるを得ない自衛隊員は、他の軍隊よりも厳しい訓練を必要とする。そして訓練で命を散らす。何かが倒錯しているのではないか? 2016/01/03
flat
5
分かり易く軍事の話が書かれていて読み易かった。印象に残ったのは軍事的空白が出来た箇所は侵略されるという部分だろうか。戦争を賛美する気は毛頭ないが日本にはやはり自衛隊ではなく軍が必要なんだと思わせる。また核が大きな戦争を未然に防ぐ役割を果たしているのは皮肉だなぁと思う。2019/08/29




