内容説明
人生の終盤の時期を、日本から離れ、タイ、カンボジアなど東南アジアの国で生きることを選ぶ高齢者たちが増えている。物価の安さ、気候の温暖さ、ホスピタリティに加え、こと男性たちにとって大きいのは「若い女性との出会い」である。夜な夜な「出会い系カフェ」でその日の相手を探す人、娘のような年齢の愛人と暮らす人、真剣に結婚相手を求める人。全財産はおろか年金もすべて貢いだあげく捨てられる男性もいれば、幸福な家庭生活をいとなむ男性もいる。高齢男性にとって、タイははたして楽園なのか、それとも…。タイ、カンボジアで暮らす日本人男性たちの、悲喜こもごもの世界を描くノンフィクション。
目次
序章 人生第四コーナーからの選択
第1章 なぜ、タイで暮らすのか
第2章 快楽の都・バンコク
第3章 北タイで嫁探し
第4章 恋愛・負け組
第5章 結婚に失敗しない方法
第6章 ザ・ロングステイヤー
第7章 ロングステイ格差社会
第8章 国境の町と少女売春の今
第9章 幻の国・カンボジア
終章 アジアの純情
著者等紹介
瀬川正仁[セガワマサヒト]
東京生まれ。映像ジャーナリスト。1978年、早稲田大学第一文学部卒業。80年代後半より映像作家としてアジア文化、マイノリティ、教育問題などを中心に、ドキュメンタリーや報道番組を手がける。日本映画監督協会会員。日活芸術学院講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
乱読で活字が躍る本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジュースの素
6
日本の男性高齢者は孤独だ。妻に先立たれたり離縁された日には最悪。そんな人がタイに行き、物凄く若い女性からチヤホヤされるとつい貢いでしまう。 タイでは外国人が不動産を所有することは出来ないので相手名義になる。さんざん貢がせておき、ドロンされるケースが後を絶たない。中には成功して幸せになる人もあるが、日本の高齢男性があまりにも甘い為に身ぐるみ剥がされる方が多い。 若い女にチヤホヤされるのがそれ程いいのだろうか。 サッパリ分かりまへん❗️ってとこだ。2016/03/12
東京には空がないというけれど・・・
4
10年前に刊行された本だが、面白い。一気に読んだ。少子高齢化の波の中で、独身男性高齢者がアジアを目指している実態がルポで描かれている。落ちこぼれた高齢者じゃないかと思うのは間違いである。非婚、離婚の時代に、崩壊した年金制度の日本から脱出する人は、後を絶たない。日本の家族制度が崩壊し粗大ゴミ扱いされる高齢者にとって、アジアはまだ優しい。この本は、大胆で特殊な高齢者の話ではなく、日本国自体の問題を浮き彫りにしている。日本の高額な老人ホームに入れないなら、アジアで生きようという人々。悲しいけど、たくましい物語。2019/06/02
職商人
3
身につまされた。私もどうなることやら。フィリピンでの珍道中、ドタバタ、悶々は続く。2013/05/05
max99
2
丁寧に取材されて、大変興味深く読めました。変に捨てられないものが多すぎて、中々思い切れない自分にとって、すごく参考になりました。何度もアジアを訪れたことがありますが、本当の笑顔に触れる機会は日本の何十倍もあるような気がします。幸せの基準の違いか、心の持ちようなのか…。2012/11/25
やぶチャン
0
★★★★☆2009/11/22