内容説明
南極観測隊のための特殊用途人形、「南極1号」は実在したか!?ダッチワイフ開発に賭けた男たちが挑んだもうひとつのプロジェクトX。綿密な取材により、その進化と変遷をあますところなく描いた異色のノンフィクション。
目次
1 ダッチワイフの履歴書(「ダッチワイフ」と「ラブドール」;抱き枕がシリコンに進化するまで ほか)
2 素材革命―風船からシリコンへ(シリコン製ラブドールの中身;シリコン製ラブドールの作り方 ほか)
3 開発者の苦闘と喜び(創業30余年のトップブランドオリエント工業;安価なエントリーモデル市場を確立ハルミデザインズ ほか)
4 ダッチワイフの主人たち(消えた「ラブドール風俗」;「里子」をヤフオクに出す ほか)
著者等紹介
高月靖[タカツキヤスシ]
雑誌、書籍の編集を経てフリーライターに。内外の社会事象を幅広く扱う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こばまり
33
【再読】歴史からユーザーへのインタビューまで丁寧に真摯に取材してあり、読み応えがあります。特に各メーカーの試行錯誤の開発秘話はものづくりの醍醐味を感じられるところ。著者の考察をあとがき1ページとは言わずもう少し読んでみたかったです。2014/06/16
ナチュラ
21
いたって真面目な本です。 特殊玩具 かつてはダッチワイフと言われ、現在はラブドールという名で進化を遂げている等身大の人形についてのドキュメントです。 各メーカー、創業者の開発の経緯や 制作努力、素材のこだわりなど 日本の技術力を感じました。 「南極1号」は都市伝説になっていますが、この本を読んで 実際のところが分かってスッキリしました。2018/07/28
Koning
21
図書館で見かけてびっくりして、借りたのだけれど意外と良書(失礼な言い方だな)。個人的にはやたらリアルな人形は例の不気味の谷に落ち込むと思ったんだけど、そこはやはり絶妙なデフォルメがあったわけですね。ここで結構メーカーの人たちが注目している障碍者や老人向けの需要もそうだけど、ヒューマノイドロボットのガワの技術としても注目すべきなんじゃないかと。人体の代替といういわゆるサイボーグはiPS細胞なんかの再生医療が現実的になるとこの路線は非現実的だものね。そして、まさかの猥褻物扱いでリアルな生殖器はアウトに驚く2012/12/27
どんぐり
16
ダッチワイフを直訳すると「オランダ人の妻」。オランダ人を貶めるような言葉だが、ずばりセックスの代用人形のことだ。もう一つ「ラブドール」という呼び方がある。リアルで高級なシリコン製などでできた、単なる性欲のはけ口でない愛玩用の人形、高いものでは1体60万円もする高額商品だ。風船からシリコンへ、開発者の苦闘と喜び、ラブドールのユーザーの声を拾うこのルポは、いたって、真面目な本。通勤電車のなかで広げて読むには勇気がいるが、興味が先行して一気読み。『空気人形』『ラースと、その彼女』という映画を思い出した。2013/03/11
第9846号
7
モノづくりって、対象がなんであれ真剣に作られると(そのため、きれいな子が多い)、説得力がある。にしても、この人形達が歴史を持つほど長い間必要とされていることに、ヒトの不思議さ感じる。
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- 阿刀田高の楽しい古事記