現代哲学への招待
真理と述定

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  • サイズ B6判/ページ数 259,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784393323168
  • NDC分類 801
  • Cコード C0010

内容説明

プラトンのイデア論以来、西洋哲学を悩ます「述定」の問題。個物と普遍はどのように関係するのか、名前と述語はどのように関係するのかをめぐって展開するこの難問に、アリストテレス、ヒューム、ラッセル、クワインなど偉大な哲学者が挑み、敗れていった。だが、デイヴィドソンは、この問いはすでに解けた、という。真理概念の再考から述定問題の意表をつく解決まで一気に疾走するスリリングな論考。

目次

第1章 さまざまな真理の理論
第2章 真理にこれ以上の何があるのか
第3章 真理概念の内容
第4章 述定の問題
第5章 失敗した試み
第6章 真理と述定
第7章 ひとつの解決

著者等紹介

デイヴィドソン,ドナルド[デイヴィドソン,ドナルド][Davidson,Donald]
1917年、米国マサチューセッツ州生まれ。1939年、ハーバード大学卒。1941年、同大学院で修士号取得。1942年から1945年まで兵役を務めたのち大学院に戻り、1949年にPh.D.を取得。クイーンズ大学を皮切りに、スタンフォード大学やプリンストン大学など多くの大学で教鞭を執り、1981年からはカリフォルニア大学バークレー校で哲学教授を20年以上勤める。2003年8月、逝去。現代の言語哲学や心の哲学において最も重要な哲学者といわれる

津留竜馬[ツルリョウマ]
1971年生まれ。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。現在、日本大学文理学部非常勤講師。専門は、数学の哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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roughfractus02

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論理的な真理(A=A)は世界に関する情報を持たない。情報は差異から生じる。すると「彼の言うことは真である」のような文は論理的真の真理関数「xは真である」とは異なる。「彼の言うことは」は世界と言語を媒介する意味論的領域に属するのだから、述語として真である。こうして著者は、論理的真と意味論的真を区別したタルスキとは逆に、意味論的な真偽が自己(解釈者)と他者(被解釈者)の間の信念の一致による「述定」の領域を強調する。このことはさらに、文を引用符で囲うことに関係なく適用できる真理述語の存在を示唆可能にしている。2017/02/11

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