「鍵のかかった部屋」をいかに解体するか

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784862380425
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0095

内容説明

「青春小説」「恋愛小説」「純文学」「セカイ系」…!?小説を閉じこめているジャンルを「解体」し、あらたな現代日本文学の「誕生」を宣言する、ユニークで画期的な評論集。サブテキストとして舞城王太郎+愛媛川十三の小説と評論を一〇〇枚収録。

目次

「鍵のかかった部屋」をいかに解体するか
僕のお腹の中からはたぶん「金閣寺」が出てくる。
全てのポップ文学を対象とする「羊男賞」の創設を提案する
Minimum Soul,Maximum Rock’n’roll―古川日出男論
いーから皆密室本とかJDCとか書いてみろって。
私たちは素晴らしい愛の愛の愛の愛の愛の愛の愛の中にいる。
お台場二十三階からジャンプ!
「セカイ」から「世界」へ復帰するために
「魔道市」はなぜナガサキにあるのか
暴力とポップ―吉本隆明論
遊星から落ちてきた「X」の悲劇
ヒャッケン・スルー・ザ・ルッキングラス
テラヤマシュージ・ツールキット
この街のすべてがポップなゴミでできていることは、なんてつまらなくも素敵なことだろう

著者等紹介

仲俣暁生[ナカマタアキオ]
1964年、東京都生まれ。フリー編集者・文筆家。1990年代から「シティロード」「ワイアード日本版」「季刊・本とコンピュータ」などの雑誌で編集者として活動した後、現在は小説や音楽からインターネット文化にいたるまで、同時代の文化について幅広い執筆・編集活動を行う

舞城王太郎[マイジョウオウタロウ]
1973年生まれ。2001年、『煙か土か食い物Smoke,Soil or Sacrifices』で、第一九回メフィスト賞を受賞しデビュー。2003年に、『阿修羅ガール』(新潮社)で第一六回三島由紀夫賞を受賞

愛媛川十三[エヒメガワジュウゾウ]
覆面作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あも

19
マイジョーーーーー!仲俣氏の駄文は糞どうでもよくて、舞城の未収録短編が載ってることが全ての本。あ、ちゃんと読み切るのがポリシーなのでこじらせ文学青年風の評論も一応読みましたよ。「僕のお腹の中からはたぶん『金閣寺』が出てくる。」、好き好き大好き~のセルフオマージュ的入れ子構造の「私たちは素晴らしい愛の愛の愛の愛の愛の愛の愛の中にいる。」共に素晴らしいが、舞城別名義での文学論が素晴らしかった。全文コピペして布教したいぐらいに!仲○氏はよくまあこれ自分の評論と同じ本に収録できたな。立ってる高さが違いすぎだろう。2016/08/30

よっぷぃ@アイコン詐欺

12
著者の評論はなかなかユニークだけど、愛媛川先生(笑)の評論と舞城王太郎の短編に、全て持っていかれてしまった印象。いや愛媛川先生、マジ素敵っす。マジ熱いっす。マジしびれるっす。ほんと「文学」とか言ってる場合じゃなくて、時代はもう「文楽」っすよ。もっと競争高めて、質のいい小説だけが生き残ってしまえばいいっす。オリジナリティーとか言ってないで、密室本とかJDCとかどんどん書いてしまえばいいっす。……えーっと、舞城の短編の「私たちは~」が良すぎる。舞城は、不条理で切ない話が一番好きだな。ミステリーはもういい(笑)2012/06/17

Bartleby

10
「「青春小説」とは、基本的には探偵小説と同一の枠組みをもっていながら、不安定で自惚れに満ちた叙法によって語られる、不正確極まりない出来事の探偵小説なのだ」村上春樹・龍以後の小説の持つ可能性について、その本質をついていると感じられる指摘が多かったです。ただ、一緒に収められている舞城王太郎の作品「僕のお腹の中からたぶん「金閣寺」がでてくる」「私たちは素晴らしい愛の愛の愛の愛の愛の愛の愛の中にいる」のインパクトが強すぎて、著者の仲俣さんの陰がうすくなってしまっている気がしました。2012/04/29

昼と夜

9
愛媛川先生の文楽論「俺が手にした俺個人の問題はこれから他人の世界を自分の中に引っぱり込んでくるっていうもっと大きな、根本的な問題だった」の一文だけで充分価値があった。その解答編「私たちは~」はメタ全開の舞城においての書くことの本音にしっとりした雰囲気が面白い。著者の評論は言いたいことはわかるけど…考え過ぎでは?てのがチラホラ。表題作と古川日出男論は面白いからまぁいいや。ただ古川日出男論、日出男風な文体がちょっと鼻につく。2012/03/26

ミツ

8
本書の何よりの目玉は舞城王太郎の短編二作品と愛媛川十三の評論だろう。共に面白いのでこれだけでも読む価値はある。 他の作品は評論というよりも思いつきの覚え書きのようなものなので深く考えずに読めばそれなりに楽しめる。 古川日出男、吉田修一、阿部和重、綿谷りさ、角田光代、西尾維新といった現代作家勢の他、吉本隆明、小林秀雄、内田百ケン、寺山修司といった少し古めの人々を扱う。 この中では古川日出男論が出来がよく、好きな人は一読を奨める。2010/12/23

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/2345
  • ご注意事項