出版社内容情報
「町づくりだの村おこし、地域の活性化とさわいどりますが、地域は活性化する必要はない。むしろ鎮静化すべきだと思うとります」――佐藤忠吉語録
佐藤忠吉さんは島根県木次の「木次(きすき)乳業」を始めた人である。日本ではじめてパスチャライズ牛乳の販売をはじめ、60年代から有機農業に取り組むなど、新しい農業のあり方を模索してきた。
野菜や生乳など、素材の生産だけでなく、その素材を加工し、流通までも自分たちでできなければ、農民は都市の奴隷になってしまう。自分たちが健康でなければ、まともなものを作ることはできない。そんな使命感と危機感をいだきながら、自分の夢をカタチにしてきた。
今は仲間をつのって、葡萄園やワイナリー、パン屋、豆腐屋など、その土地で取れたものを加工して販売するゆるやかな共同体、「食の杜」を立ち上げている。美しく、新しい農村を夢見て、佐藤さんの「農」をめぐる挑戦は続いている。
内容説明
草の匂いのする牛乳や山葡萄の香り高いワイン。健康な野菜にホンモノの卵。島根県木次は滋味に満ちている。目指すは、「地産地消」。60年代から有機農業に取り組み、日本で最初にパスチャライズ牛乳の販売を手がけた酪農家の言葉。
目次
1 エメンタールチーズ作りを見にいく
2 出雲というところ
3 オヤジ、佐藤伝次郎のこと
4 兵隊の話
5 大坂貞利という人
6 パスチャライズ牛乳のできるまで
7 茅葺き屋根での炉辺談義
8 風土プラン―自給のためのゆるやかな連携
9 自給自足の忠ちゃん幼稚園―再び出雲へ
著者等紹介
森まゆみ[モリマユミ]
1954年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。作家、地域雑誌『谷中・根津・千駄木』編集人。著書に『鴎外の坂』(新潮社・芸術選奨文部大臣新人賞)、『「即興詩人」のイタリア』(講談社・JTB紀行文学大賞)など多数がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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