内容説明
地球上でもっとも成功した霊長類は、個体数、地理的分布からみて人類とアカゲザル。メス同士でつくる母系的な血縁集団と専制的な階層構造をもつアカゲザル社会。血縁者にたいする利他的行動と非血縁者間のマキャベリアン的な性の取引、絶えざる攻撃、権力抗争。その支配はどのように獲得され維持されるのか。オスとの長期的関係や乱交でメスは何を取引しているのか。従来の大型類人猿ではなくアカゲザルに着目した進化生物学の俊英が、そのマキャベリアン的行動と心理をとおして人間の本性に迫る。
目次
1 われわれの成功の秘密
2 雑草のようにしたたかなマカクザル
3 身びいきと駆け引き
4 攻撃性と優位性
5 戦争と革命
6 性と取引
7 親による投資
8 コミュニケーションという取引
9 愛と哀れみのマキャベリ的起源
著者等紹介
マエストリピエリ,ダリオ[マエストリピエリ,ダリオ][Maestripieri,Dario]
1964年、ローマに生まれる。ケンブリッジ大学客員研究員、ヤーキス国立霊長類研究センター共同研究員等を経て、現在、シカゴ大学比較人間発達学、進化生物学、神経生物学教室の教授。霊長類の行動、心理、社会構造の優れた研究で知られ、それをもとに鋭い人間洞察を学界に投げかけている。Distinguished Scientific Award for Early Career Contributions to Psychologyほか多数を受賞
木村光伸[キムラコウシン]
1949年、京都市に生まれる。京都大学農学部林学科卒業。財団法人日本モンキーセンター研修員を経て、現在、名古屋学院大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。