内容説明
国文学者、暉峻康隆さんの言葉に導かれ、毎日新聞・名物探訪記者がふらり。今夜も赤ちょうちんの暖簾をくぐります。一〇〇年に一度の経済危機下でも、赤ちょうちん族にはチエがあります。日本の居酒屋は、きりないほどの不平不満も、笑いも、悲哀もスポンジのように吸い込んでくれるコミュニティー。四季折々こだわりの肴に、人気者のおかみさん、居合わせたお客さんたちも彩り添えて、リアルな市井の人間ドラマを繰り広げます。酒と人間を愛する新聞記者が、自らも呑んで、食べて、しゃべって、酔眼を通して見た赤ちょうちん―「とてつもなく美しい」日本、ここにあり。二〇〇六年四月から三年に渡って連載された、毎日新聞夕刊の人気コラム「今夜も赤ちょうちん」より、厳選の79軒を収録。
目次
門前仲町―モツ煮込みの至福
十条―ポテサラの山、崩しながら
歌舞伎町―ソクラテスの鳥皮
渋谷駅南口―「駄菓子屋」でハムカツ
赤羽―荷風気取って、鯉に酔い
西武・中井駅―ぷりぷりホヤ酢にシェー
自由が丘―酒学校で赤心のおから
神保町―うちわパタパタ、炒豆腐
大塚―さっとあぶって粋にクサヤ
歌舞伎町―そびえる「オールグリーン」〔ほか〕