目次
第1章 ニヒリズム―すべての価値は無価値である(“価値”にかんする伝統的説明1;善悪のほんとうの起源;神の誕生と死;“価値”にかんする伝統的説明2;自我という「虚構」)
第2章 永遠回帰
第3章 超人思想(大いなる正午;差異の消滅;“価値”にかんする伝統的説明3)
第4章 力への意志(主体なき意志;“力への意志”の現代版:複雑系)
第5章 眺望固定病(パースペクティヴィズム)(誤謬の起源;“自我”の構築;円環の完結)
著者等紹介
貫成人[ヌキシゲト]
現在、専修大学文学部教授。1956年、神奈川県に生まれる。1985年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。現象学をはじめとする現代哲学、歴史理論、舞踊美学を研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
80
ネットで購入した入門書。ニーチェ入門書は何冊も読んできているせいか、ごくわかりやすくスラスラと読めてしまった。おなじみの概念の解説であるがすっかり忘れかかっていたことのもあり思い出すことが多かった。複雑系などの喩えに新鮮さを覚えた。正直、あまりにわかり易すぎるのが問題のように思ったが、中学生にもわかるように噛み砕いたと著者。ニーチェ自体わざとか誤解を招くようなテキストなので解釈に正解はないのは確か。とっかかりとして良い本ではないかと。身近の図書館にこのシリーズが無いのが悔やまれる。おすすめの良書。2018/12/18
ベイマックス
57
図書館本。哲学書にしては、なんとか分かりやすくなっていた。『ニヒリズム』・『永遠回帰』・『超人思想』・『力への意志』という有名な用語が、少しだけ理解出来ました。でも、こんな生き方、辛いたせろうなぁ~と思った。◎生活の中に無意識的に入り込んでいる道徳や常識ということも、疑問に思えば、何かに支配されていたりするのかね。でも、あえて難しく考えることなく流されていても、それが幸せならそれは、個人の自由だしな。2020/08/18
colocolokenta
5
3度読んだ。善悪、ルサンチマン、すべてを焼き尽くす火の柱、永遠回帰、力への意志、眺望固定病。そして、大地震、大津波、放射能汚染。現実世界に直面し、生きるということはどれだけ不可解、不条理なのだろう。2011/03/29
カインズ
4
【ニヒリズムの寂しさ】善悪に関する道徳的価値について新たな視座を与えてくれる一冊。ニーチェの説だけでなく、伝統的な見解も紹介しているため、比較しながら読むことで理解を深められる。ニーチェの説を卑近な具体例にあてはめた上で解説しており、興味深く読むことができた。力への意志の解説で秋葉原を出してきたのには驚きである。ニヒリズム、永遠回帰、超人思想、完全に理解できた訳ではないけれども、これらの思想には一抹の寂しさを覚える。眺望固定病に関しては、現代においてこの病にかかっている者は、多いのではないかと感じた。2011/07/26
篁(たかむら) かわを
3
振り返ってみれば、この本でニーチェの思想に辿り着いたことで、哲学への興味は一旦区切りがついたように思う。