内容説明
日本農業が弱体化した原因は、戦中・戦後につくられた古い制度とコメ偏重型の農政にある。統制色が強い鎖国型の農政は、市場の変化に対応できず、農業の競争力を奪ってきた。国内農業が貿易自由化にも耐えられる力をつけるには、農政の抜本改革は避けられない。TPPはその絶好のチャンスだ。
目次
第1章 TPPで何が変わるのか(TPPの節目、日米首脳会談;TPPとは何か ほか)
第2章 “鎖国農政”の源流(農業保護主義の100年;ガット体制下でも続いた農業保護 ほか)
第3章 日本農業は本当に弱いのか(2000戸の農家をネットワーク―イズミ農園;「固定価格」化で経営安定 ほか)
第4章 農産物の輸出を強化しよう(レタス輸出で生産の安定目指す川上村;価格で苦戦するレタス ほか)
第5章 日本農業再生のシナリオ(戦後100年からの語りかけ;農業の海外展開編 ほか)
著者等紹介
金子弘道[カネコヒロミチ]
帝京大学経済学部地域経済学科教授。1947年茨城県生まれ。1971年早稲田大学政治経済学部卒業。同年日本経済新聞社入社。西部支社、東京経済部、経済解説部などを経て、1989年米州総局(ニューヨーク)編集次長、1992年編集委員、1995年論説委員、2003年日本経済研究センター主任研究員、2004年鳥取環境大学環境政策学科教授、2011年から現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
21
そりゃ日経にいた人なら推進派だろうな。規模拡大や機械化が難しい中山間地は保護が必要だが、TPP発効されれば守り方を変えなければならない(50頁)。長野県はカロリー自給率が52%だが、生産額自給率は122%(87頁)。中山間ではコメ+新しい作物、か、新しい作物+コメの経営で生産性向上を(94頁)。新指標として、農業産出額、土地生産性、雇用(103頁)。農地を賃貸し地代収入を得れば農地の出し手は所得が増え、集落存続できる。2015/02/04
渓流
1
TPP問題の包括的理解になかなか良い。 2015/02/04