感想・レビュー
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韓信
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魏晋五胡十六国時代の敦煌から出土した鎮墓瓶や画像磚を中原や他の河西地域のものと比較し、敦煌の特殊性及びそれを生み出した社会背景をさぐる論考。現世と死後を画然と分かとうとする(逆に言えば死者が生者へ祟りなすことを危惧した)死生観や、冥界神・土地神らを体系化した宗教意識など、個人的にはむしろ敦煌ではうすれていたと思しき価値観に興味を覚えたし、貧民・罪人・被災者・左遷者・避難者の集団的徙民・移住で形成された文化の坩堝ともいえる敦煌で、周縁に文化が残るでもなく、なぜ宗教意識が単純・素朴化されていったのかが疑問。2024/05/14
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