内容説明
原始、女性は「太陽」をも統べる、輝く「月」だった。高群逸枝の女性史研究を継承し、先史縄文に“母系・母権”と“月の文化”、“コモンの社会像”を見出した著者の、生涯をかけた研鑽の足跡をつづる大著。バッハオーフェン、モルガン、エンゲルスにはじまり、以後の人類学の流れをたどり、さらには最新の考古学、歴史学、神話学、国文学、DNA研究、海民研究、アイヌ研究の業績を批判的に読解し、母系・母権的な縄文の社会と文化を描く「高良女性史論」の到達点。
目次
第1部 母系制と母権制、神話との出会い―歴史の真実を求めて
第1部続篇 月に捧げる日本の動物供犠とその禁止―縄文時代から天武の禁令まで
第2部 DNAの研究により見出された縄文の母系制社会
第3部 「海民」文化と、母系制が存在した関東東南部の先史・古代文化を探る
第3部続篇 アイヌ民族を考える―縄文人に最も近い人々
第4部 北九州の母系制社会の周辺文化を探る
第5部 世界でも独特な縄文の社会と文化―生産手段を共有し、農耕を本格的に拡大しなかった。この時代の大半は母系制の可能性
第6部 未来社会の可能性を探る―性別役割分業の克服、生産手段の共有
著者等紹介
高良留美子[コウラルミコ]
詩人・評論家・作家。女性史研究者。1932年、東京生まれ。東京藝術大学美術学部、慶應義塾大学法学部に学ぶ。1962年、詩集『場所』により第13回H氏賞、1988年、詩集『仮面の声』により第6回現代詩人賞、2000年、詩集『風の夜』により第9回丸山豊記念現代詩賞を受賞。10冊の詩集と3冊の選詩集を刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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