内容説明
アメリカ詩にみる森の伝統、エマソン、ソローにはじまる「野生」の詩心が東洋思想、仏教、禅思想の「無為自然」と響同するところに羅針をあて、ガートルード・スタイン、リンドレー・W・ハベル、ゲーリー・スナイダーに至って、この交接が壮大な詩的世界、現代の生態学的危機と人間倫理の根源にたつ対抗文化を孕むこととなった道筋をたどる文学評論。それは同時に、現代に生きる禅の「野生」を問うものでもある。
目次
第1章 東洋思想との出会い
第2章 ガートルード・スタインとリンドレー・W.ハベル
第3章 「暗示と抑制」の審美眼―L・W・ハベルの詩の世界
第4章 ゲーリー・スナイダーの「野生」の眼と道元の禅
第5章 自然から「無為自然」への転換
第6章 「亀の島」の住人として生きること
第7章 G・スナイダーの‘The Blue Sky’を読み解く―「青空」から「瑠璃光の空」へ
著者等紹介
三芳康義[ミヨシヤスヨシ]
1960年埼玉県生まれ。駒澤大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。博士(人間科学)(早稲田大学)。現在、駒澤大学、日本大学、城西大学で非常勤講師。曹洞宗法昌寺・長松院住職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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