出版社内容情報
◎いま「古代的死生観」を問うことが、リアリティをもってきた。墓碑、石棺、副葬陶器絵画、神話伝承、文芸などのイメージ資料によって、ユーラシアにわたる古代的死生観の様相を読み解く。
◎『象徴図像研究―動物と象徴』につづく、和光大学総合文化研究所の共同研究プロジェクト「来世と死の観念についての文化史的・宗教学的研究」の成果。
【詳細目次】
●第一部=死の神話学(松村一男)/オシリス神の活用―ジョイスとロレンスの復活神話 (吉川信)/民主政下アテナイの「死を想え(メメント・モリ)」図像―アッティカの白地レキュトスを読み直す(篠塚千恵子)/古代ギリシアの墓碑図像(田中咲子)/ヘレニズム期の葬礼美術に関する一考察(中村るい)/ 古代ギリシア人の死生観 R・ガーランド著(山口拓夢訳)/ローマ人の葬礼のシンボリズムに関する調査研究―序論および第一章のⅠ F・キュモン著(永澤峻訳)
●第二部=中国の涅槃図像の諸相―大足宝頂山石窟の大涅槃像 (北進一)/死から逃れようとする賢者(坂井弘紀)/ガンダーラの、浄土への案内人たち(前田たつひこ)/不死なる緑衣を纏う聖者の伝承と現在―ヒドルとヒズルの世界(村山和之)
【編者紹介】(永澤峻)
1944年生まれ。現在、和光大学表現学部教授。専攻は、古代末期・ビザンティン美術史。畏るべき浩瀚な知を湛えた美術史家であり、共著に、『神話・象徴・イメージ』『象徴図像研究―動物と象徴』。訳書に、E・パノフスキー『イコノロジー研究』、A・シャステル『グロテスクの系譜』などがある。
内容説明
墓碑、石棺、副葬陶器絵画などの造形芸術、さらには神話伝承、文芸などのイメージ資料によって、ユーラシアにわたる古代的死生観の様相を読み解く試み。
目次
第1部(死の神話学;オシリス神の活用―ジョイスとロレンスの復活神話;民主政下アテナイの「死を想え(メメント・モリ)」図像―アッティカの白地レキュトスを読み直す
古代ギリシアの墓碑図像―その展開と地域性 ほか)
第2部(中国の涅槃図像の諸相―大足宝頂山石窟の大涅槃像をめぐって;死から逃れようとする賢者―テュルク世界の伝説的人物コルクトについて;ガンダーラの、浄土への案内人たち;不死なる緑衣を纏う聖者の伝承と現在―ヒドルとヒズルの世界)
著者等紹介
永澤峻[ナガサワタカシ]
1944年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程満期修了。和光大学表現学部教授。専攻は、古代末期・ビザンティン美術史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。