内容説明
「週刊モーニング」第２９回ＭＡＮＧＡ ＯＰＥＮ大賞を受賞した気鋭の新人による、鮮烈な処女作。絵が、シーンが、想像力をかきたてる。個性的な筆致で描かれる、少女の成長と葛藤を描いた“無声漫画”。
著者等紹介
山本美希［ヤマモトミキ］
１９８６年生まれ、茨城県出身。２００９年、筑波大学在学中、『爆弾とリボン』で「ＭＩＴＳＵＢＩＳＨＩ ＣＨＥＭＩＣＡＬ ＪＵＮＩＯＲ ＤＥＳＩＧＮＥＲ ＡＷＡＲＤ ２００９」日比野克彦賞を受賞。２０１１年３月、『Ｓｕｎｎｙ Ｓｕｎｎｙ Ａｎｎ！』で講談社モーニング編集部主催の第２９回ＭＡＮＧＡ ＯＰＥＮにて大賞を受賞。同年の週刊モーニング１６号に全ページが掲載される。『爆弾にリボン』で単行本デビュー（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
7
若さを羨ましいと思うことって、実はそんなに多くない。でも、このような作品を読むと、そう思わずにおれなくなる。稚拙で、青くて、不器用で、でも、真っ直ぐで、痛くて、ピュアな物語。リボンを巻いた爆弾を胸に秘めながら、少女達は世界を、息を止めつつ駆けている。その息苦しさが、全編を貫く。そんな中で、彼女達がこれから出会うであろう、たくさんの希望に、やっぱり羨ましくなる。2011/07/18
R氏
5
びーってなっちゃう少年少女はいつだって、はち切れんばかりの瑞々しさとミイラみたいに乾いた自我を持っているものだけれど、大抵はそれを持て余していたいいたいとげとげになってしまう。とげとげの発散方法は世界に向ける人、他人に向ける人、自分に向ける人、様々であるのだが、結局は自分のハサミで切り取らなくてはならないのだ。触れ合うこと、やってみること、出会うこと。其々のタイミング、其々のやり方で。この本の少女のその過程は、鋭く太い。2011/11/23
鷹図
4
歌人加藤千恵の「人混みも 伸ばしっぱなしの前髪も あたしのことを 許していない」という句を思い出した。高校生と思しき少女の、世界に対する違和感と憤りが不安定な描線に仮託されている。形式としてはいわゆるサイレント漫画であるが、帯の「無声漫画」というキャッチの方が、この作品の雰囲気を上手く捉えていると思う。思春期の鬱屈なんてのは、良くも悪くもいつの間にか霧散してしまうものだと思うけど、作者にあっては未だに燻ぶり続けていたのだろう。そんな爆弾のような感情は、リボンを巻きつけられここに提出された。芸術として。2011/08/12
紀梨香
3
展覧会にて。竹園中学校の入学式で始まり茨城県立美術館のフリーダ・カーロの展覧会で幕を閉じる物語。言葉がなくても絵だけで彼女たちの気持ちが痛いほど伝わってきました。2025/04/19
ウチ●
2
彷徨するたましい。心のはらから。フリーダ・カーロ。2023/09/08
