感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
booklight
32
うーん、難しい。こういったほんのレベル設定が。概念的な話はすでに知っていて、つっこんだ話は難しい。ルービックキューブは、数式化できるんだ、ということは分かったが詳細は分からず、数学が先か人が先か、という話はあまり深まらず、ビジネスの話も割と身近な話で終わってしまった。数学が先か人間か先かお話は、人間の脳で考えているから人間に都合のいい論理体系になっていると考えると人間が先だけど、人間の論理の先の世界は、論理の世界なんだろうか、とも思える。人と数学のあいだ、ということだが、思ったより数学寄りだったかな。2023/06/25
りらこ
25
数学という大きな世界は多岐にわたり、茫洋としていて、その世界の住民に対しては凄い!と日々感じている。読み始めたらこれが面白い。加藤文元先生は、卒業した学生達からも授業が面白いと聞いたことがあるが、何より例えが上手く、あらゆる方向からの視点がおありになるからこそ置き換えてお話になりまた、そのように多角的な視点を常に持って考えていらっしゃるからなのだろうと思う。また1つ少し安心したのは茫洋とした世界だと感じているのは、どうやら数学者であっても同じ「終わりのない学問」のようなのである。読み応えある本だった 2022/11/24
spatz
15
専門家同士の対談は、一般書として語ってくれていても理解不能という部分はあった(想定内)。 岩井圭也氏は、北海道大学大学院農学部(修士課程)で学ばれている。本書は数学者の加藤文元氏が色々な人と対談するという趣旨なのだが、数学者と数学が好きな理系出身の人気作家という異色の対談。数学をテーマ、とすると岩井氏の場合は当然「#永遠についての証明」!ファンには垂涎。 数学。抽象的な学なんだなと思う。 #NetGalleyJP2022/08/15
にゃにゃころ
13
岩井圭也さんとの対談目当て。私の大好きな「永遠についての証明」の主人公のような[数学者]と、[文学]を絡めた対談。実際にモデルのような天才数学者がいたことに驚いた。会社員で、ここまで専門的なことを書けるの、ほんとびっくりする。未知を解き明かしていく天才数学者と、物語を生み出す作家。かけ離れた分野のように思えるけど、どちらにも「孤独」がある。また孤高の天才、瞭司に会いたくなったなぁ。「永遠についての証明」再読しようかな。他の対談も数学って面白いなって思えた。自分に数学の才能がないのは悲しいけど(笑)。2022/03/13
ジョンノレン
12
未だにその証明の正当性について議論の止まない、ABC予想の証明者望月新一氏の同僚数学者でありかつスポークスマンである著者の、異分野(科学全般・脳科学・文学・クリエーティング?・IT)の雄達との対談本。丁々発止のやりとりや、時に執拗とも言える追及で、分野の接点が深掘りされ、新味に溢れる。エキサイトした著者の数学に関わるコメントは難解で、残念ながら読み飛ばしに終わったが、著者の他の本にも手を伸ばしたくなってきた。2022/05/17