感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yakinori
7
渋い色合いに美しい装丁の本。 ー信号の〈緑の人〉は自らは歩かず人を歩き出させるー 当たり前体操〜♪と付け加えたくなるような短歌。何故かそこに惹かれる。 ー些事詠んで確かなワザが伴えばそれでいいんだ短歌と言うはー 作者の思いはこの短歌に結集されている。83歳の歌人。Twitterもやっている。自然の美しさや重大事件について詠むのは当たり前。折り畳み傘やインプラントや信号機のことまで詠む。彼の真髄はここにあると思う。2020/03/08
はち
5
ただごと歌の達人奥村晃作の歌集。第十四歌集というから凄まじい。2012年、2013年の作品と言うことで震災の後の東北を描いたものも多いし、それを中心に読んでしまうが、この人の特徴はやはり「些事詠んで確かなワザが伴えばそれでいいんだ短歌と言うは」の精神。(それがどれだけ正しいか、それがどれだけ難しいかは実作者にはわかるはずだ)インプラント手術におののき、自分の老いを見つめながら、それでも深刻さをほとんど感じさせない。面白いよこの歌集。あと個人的には四万十の連作はやはり推したい。奥村さんが来られたのはすでに四2015/01/01
曰
1
素直でリアルな歌。蟹とエビとウニの歌が妙に気に入って、何度も読み返してしまった。2020/01/17