感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てん06
13
図書館本。著者の妻で歌人の河野裕子が2010年に亡くなったが、その前後の時期の歌をおさめている。先に河野裕子の歌集から家族が選歌した「あなた」を読んだが、亡くなる側と、残される側とどちらも悲しい。だが残された夫である著者の歌のほうが、その後の悲しさ、寂しさを詠んでいるからか悲しく思う。本の栞紐、本文の綴じ糸がターコイズブルーだが河野の「あなた」は栞紐、綴じ糸が赤だった。夫婦だから、対をなした装丁なのかもしれない。2021/12/07
はち
6
永田和宏さんの第十二歌集。妻である河野裕子さんの病気と死、そしてそれからしばらくの日々を描いた作品。それゆえに連作として読み、一首一首の強度はそこまで高くないように感じた。おそらくこの歌集は河野さんとの関係を描いたものとして捉える人が多いし、実際不覚にも泣いてしまったわけだが、大学教授を退官する時の歌や、前半に多い亀の歌、自然や人、ものを観察する歌にも見るものは多い。むしろそれらの歌が優れているから河野裕子さんを詠む歌がより生きてくる。「パネラーは足が暇なり前垂れの布の向かうにひらりひらりと」「手榴弾ほど2015/03/09
浦和みかん
1
意味的にも韻律的にも独り言(あるいは返ってこない語りかけ)のような歌が多いけど、そうならざるをえなかった事を思うとうまく言葉にできない。2017/01/30
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- 和書
- 保育援助論 (復刻版)