さよならアメリカ、さよならニッポン―戦後、日本人はどのようにして独自のポピュラー音楽を成立させたか

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  • サイズ A5判/ページ数 393p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784861919077
  • NDC分類 767.8
  • Cコード C0073

出版社内容情報

J-POP、その発生の起源と源流を「はっぴいえんど」を中心に解析した、
日本近代文学専攻のシカゴ大教授による、一大戦後日本ポピュラー史研究!
戦後日米間の文化的時差を埋める画期的な論考!

『さよならアメリカ、さよならニッポン』は各章で、きわめて理論的なレンズを通して単一のジャンルを分析する――解放と音楽の関係/音楽の評価に文化的な位置づけがおよぼす影響/世界中に音楽のジャンルを発信する際に翻訳が果たす役割/音楽におけるノイズの位置と歴史的な変化との関係/本物と模倣のイデオロギー間にある希薄なつながり/商業的成功と芸術性の関係/メロドラマの機能。最後にボーダッシュは、近年における日本のポップ・ミュージック文化に目を向けた画期的な論考である。

マイケル・K・ボーダッシュ シカゴ大学の近代日本文学准教授。著書にThe Dawn Never Comes: ShimazakiToson and Japanese Nationalismがあり、夏目漱石『文学論』、亀井秀雄『感性の変革』の翻訳担当編集者を務めている。

<目次>
第1章 解放の音楽 ●黒沢明、笠置シヅ子と占領下の日本における自由への道
第2章 美空ひばりの位置づけ ●アジア人たちはどこに行った?
第3章 ミステリー・プレーン ●坂本九とロカビリーの翻訳
第4章 体制内での仕事 ●グループ・サウンズとノイズに秘められた商業的、革命的な可能性
・ケース1:寺内タケシ
・ケース2:かまやつひろし(スパイダーズ)
・ケース3:大口広司(テンプターズ)
第5章 ニュー・ミュージックと否定の否定 ●はっぴいえんど、荒井由実とイエロー・マジック・オーケストラ
第6章 イエスと言える日本 ●バブル後経済におけるバブルガム・ミュージック

解説対談:萩原健太VS湯浅学

内容説明

J‐POP発生の起源と源流を「はっぴいえんど」を中心に解析した、日本近代文学専攻のシカゴ大准教授による、一大戦後日本ポピュラー音楽史研究。

目次

第1章 解放の音楽―黒澤明、笠置シヅ子、そして占領下の日本における自由への道
第2章 美空ひばりの位置づけ―アジア人はどこに行った?
第3章 ミステリー・プレイン―坂本九とロカビリーの翻訳
第4章 システム内での変革―グループ・サウンズとノイズの商業的、革命的ポテンシャル
第5章 ニューミュージックと否定の否定―はっぴいえんど、荒井由実、そしてイエロー・マジック・オーケストラ
第6章 「YES」と言える日本―バブル後の経済におけるバブルガム・ミュージック
最終楽章

著者等紹介

ボーダッシュ,マイケル[ボーダッシュ,マイケル][Bourdaghs,Michael]
1961年アメリカ・ミネソタ州生まれ。1984年に仙台、宮城教育大学の交換留学生として初来日する。1986年にマカレスター大学を卒業し、アメリカのTV局の東京支社に勤務。1989年にコーネル大学の東アジア文学博士課程に入り、1996年に博士号を取得する。同年、UCLAの教員となり、2007年にシカゴ大学に移籍。現在は同大学で東アジア言語・文明学部の准教授を務める。過去には東北大学および国際基督教大学の客員教授を務め、アジア、ヨーロッパ、北アメリカ各地の大学で講義をおこなっている。初の著書“The Dawn That Never Comes:Shimazaki Touson and Japanese Nationalism(決して訪れない夜明け:島崎藤村と日本のナショナリズム)”は2003年にコロンビア・ユニバァーシティ・プレスから刊行された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

1959のコールマン

56
☆評価保留。みの氏が評価している本なので、読んでみたが・・・何度も放り投げようかと思った。誤解無いように書いておくが、読みやすさ、わかりやすさは十分すぎる程ある。言いたいことも良く分かるし、首肯すべき事柄も出てくる。が、色々な要素、分野をこれでもかと出している為、主題が日本音楽なのか日本文化なのかどっちか訳が分からなくなってくる。やたら「地政学」というコトバが出てくるが、当人が本当に地政学を知り尽くしているとは到底思えない。比喩表現として「地政学」という言葉を使っているようだ。2023/01/10

くさてる

18
アメリカの日本文学研究者による日本のポピュラー音楽研究本。YouTubeで該当の曲を再生しながら読んだら、とてもエキサイティングで面白かったです。坂本九、笠置シヅ子、美空ひばり、グループサウンズといった既知の存在が、また違った様相で目の前に現れてくる印象です。良かった。2021/04/17

苺畑序音

16
わかってる気になっていただけだという事に気づかせてくれたのがアメリカ人研究者だというのが何とも悔しい。非常に労作だと思う。個人的にはGSを今の感性・耳で、聴き直していきたくなった。もちろん、はっぴいえんど もね。2016/03/30

しゅん

8
日本人とポピュラーミュージックの関係の変化を、笠置シヅ子、美空ひばり、坂本九、GS、はっぴいえんど、チャゲアスを各章の主人公としながら追っていく。敗戦後の日本人がアメリカとの二者関係にこだわることで、アジアに対する加害を不問に付した。ひばりと笠置のイメージの対比は日米のイメージと一致する。はっぴいえんどは二者関係に「さよなら」を告げる音楽言語を示し、細野晴臣はアジアとの関係をソロで音楽化していく。「沈黙やオウム返しが一つの抵抗になる」というテーマが序章と終章で共通している、ことに今気づいた。2021/09/16

amanon

4
非常に刺激的で示唆に富んだJポップ論。ここまで日本の音楽とそれについて書かれた書籍に通じたアメリカ人がいるということに驚愕させられる。また、日本が速く他のアジアのどの国よりも欧米の音楽を吸収し、独自の音楽を創造し、それをいち早く欧米諸国へとフィードバックさせたということに改めて驚かされた。こういう歴史の究明を日本人がやるとナショナリズムに堕する危険性があるので、アメリカ人の手によってこういう仕事がなされたというのは意味があると言える。ただ、誤字脱字が目立つこと、また索引が不完全だったことが残念。2013/05/27

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