内容説明
一流は一流を知る。いまなお、多くの落語家、ファンに愛され続けている古今亭志ん朝の「芸」と「人柄」を、現在第一線で活躍している、プロの落語家が語った。プロはどう志ん朝を聴いているのか…。芸の核心にも関わる問いを投げかけているうちに浮かび上がったのは、志ん朝の魅力の秘密ばかりか、問いに答えてくれた落語家たちの落語観、そしてなにより落語の魅力だった。本書を読むにつれてこう思うはず…「そうだ、落語を聴こう!」。
目次
林家正蔵『唐茄子屋政談』
桂米團治『居残り佐平次』
笑福亭鶴瓶『文七元結』
林家たい平『お見立て』
春風亭小朝『明烏』
春風亭昇太『崇徳院』
三遊亭小遊三『花色木綿』
古今亭朝太『道潅』
林家木久蔵『抜け雀』
古今亭志ん五『三軒長屋』
笑福亭仁鶴『四段目』
柳家花緑『元犬』『愛宕山』
立川志の輔『火焔太鼓』
特別採録 五代目三遊亭圓楽 志ん朝を語る
著者等紹介
浜美雪[ハマミユキ]
1955年、横浜生まれ。国際基督教大学卒業後、日本興業銀行(現・みずほ銀行)に勤務したのち『Switch』誌の編集者に。その後、筑摩書房『頓智』を経てフリーに。現在は白夜書房『落語ファン倶楽部』等の編集を手がけ、また大衆芸能のジャンルを中心に構成・執筆で活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
もっか
4
落語を木戸銭払って聴きに行くようになったのはここ10年くらいなので残念ながら志ん朝はテレビでしか聴いた事がない。若手(といっても40~50代だが)の噺家さんのノリと勢いの落語は勿論好きだが無名の齢を重ねた噺家さんの味には及ばない。その若手の噺家さんの語る志ん朝とは。存命でないのが悔やまれると切に感じさせる。志ん朝のDVDを改めて聴いてみたいと思った。噺家さんも落語ファンなのたなあとしみじみ。下手な解説本より活き活きとした志ん朝を読んだ気がする。2012/06/03
安瀬内喬
2
既に志ん朝を聴いている人が読み、聴いていない人は読まないかな。知らない人が読んで面白い本ではない印象。2011/05/02
くーぱー
2
同じシリーズの昇太本を読み終えたときもかんじたのだが、下手な解説本を読むくらいなら、志ん朝師匠のCDを聴いた方がどれだけましかと。当代の人気落語家を並べたとのことだが、人選にもやや疑問が。ただ巻末の五代目円楽の言葉は、同じ時代を駆け抜けてきた同志ならではの含蓄があって感じ入った。2010/06/04
Suwa Yoshinori
1
志ん朝を知らないひとには、難しいかも。ファンにはたまらないね。2012/03/20
qoop
1
同業者が語る志ん朝。やはり同業者も、志ん朝に関してはファン目線になっちゃうんだな。そういう意味で志ん朝リスペクトに溢れた一冊。とはいえ一番面白かった個所は、先代圓楽の談志評...というのはどうなのか(w2010/03/20