内容説明
徹底取材で浮かび上がった強者への忖度と迎合。問われているのは自治のあり方、税金の使い方そして横行する草の根非・民主主義だ。
目次
第1章 命を絶った組合長
第2章 懐柔と脅し
第3章 寝返りと沈黙、そして無関心
第4章 赤倉温泉と金山荘
第5章 総代会
第6章 よそ者と山男
第7章 談合政治の風土
第8章 捻じ曲げられた論点―治水と自然の二者択一にあらず
第9章 土着権力とダム
第10章 ごまかしと穴だらけの地方創生
著者等紹介
相川俊英[アイカワトシヒデ]
1956年、群馬県に生まれる。早稲田大学法学部卒業。地方自治ジャーナリスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まると
3
ダム建設を巡る地域の対立を追ったルポルタージュ。漁協に圧力をかけ、都合の悪い事実はうやむやにしようとする県の狡猾なやり口への憤りが、文章ににじみ出ている。十数年前に取材した長野県の脱ダム政策の末路を思い出した。あの時は県の方がダムに反対し、住民の突き上げをくっても対案を示せず、難渋したわけだが…。原発にも言えることだが、是非の判断に専門知識が必要な施策を民主主義的に決着させていくのは難しい作業だ。住民が判断するために必須となる情報公開も徹底されることはない。そして、行政権力に欺瞞が呼び起こされるのだ。2018/10/14
ゆきまさくん
1
治水ダムのひとつである穴あきダムは、水質が変わらることなく環境に優しいものなのか否か。 しかしながら、これはダム問題の是非を問うものではなく、この事例を通して、自治のあり方、税金の使い方、主権者とは何かを問いかけるとしている。 地域をより良く変えるために必要なことは、自らを変えること。他人事として漠然ととらえるのではなく、ひとりの主権者であり、社会の主体たるべきということらしい。 自治とは重いものだ。2018/03/07
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