出版社内容情報
ロッテ! ロッテ!――俺はもうお終いだ!
感覚は混乱しちまうし、もう一週間もまともに考えることができなくなっちまって、目は涙でいっぱいだ。
人生の意味に取り憑かれて破滅する知的アウトローの魂の叫びが響き渡る、21世紀のヴェルター!
神話的運命の固い絆を解く「人間」的誠実を謳いあげ、しかしその裏面に虚しき愛の漂流を予感させる「タウリスのイフィゲーニエ」を併録。
内容説明
人生の意味に取り憑かれて破滅する知的アウトローの魂の叫びが響き渡る、21世紀のヴェルター!神話的運命の固い絆を解く「人間」的誠実を謳いあげ、しかしその裏面に虚しき愛の漂流を予感させる「タウリスのイフィゲーニエ」を併録。
目次
若きヴェルターの悩み
タウリスのイフィゲーニエ
著者等紹介
ゲーテ,ヨハン・ヴォルフガング[ゲーテ,ヨハンヴォルフガング] [Goethe,Johan Wolfgang]
1749‐1832ドイツの詩人、小説家、劇作家。文芸・美術評論の他、色彩論、形態学、鉱物学などの自然研究もなし、ワイマール公国の行政にも携わった
大宮勘一郎[オオミヤカンイチロウ]
1960年山形市生まれ。東京大学教授、近現代ドイツ文学・ドイツ思想専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ろべると
9
新訳。「若きヴェルターの悩み」の方は、ウェルテルが「俺」と言うのがどうにも違和感があって、残念ながら途中で挫折。「タウリスのイフィゲニア」は、エウリピデスのギリシア悲劇の原作をゲーテが換骨奪胎した戯曲だが、原典を読んだことがないので違いがよくわからない。「エレクトラ」の後日談であり、イフィゲーニエがエレクトラの姉であるとは知らなかった。弟オレストとの再会も似ているが、本作は悲劇的な結末とはならない。ギリシア悲劇は「メデア」もそうだが、展開が陰惨なところもあり、まだ全然入り込めていない。どうしようか。2023/04/21