極東ナチス人物列伝―日本・中国・「満洲国」に蠢いた異端のドイツ人たち

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極東ナチス人物列伝―日本・中国・「満洲国」に蠢いた異端のドイツ人たち

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  • サイズ 46判/ページ数 328p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784861828829
  • NDC分類 283.4
  • Cコード C0020

出版社内容情報

時代を左右したにもかかわらず、本国にいられなかった“怪しすぎる”面々。

防共協定締結の立役者であり終戦工作にも携わったフリードリヒ・ハック、?介石に協力したハンス・クライン、「満洲国」のアヘンに関わったヘルムート・ヴォータート、ゾルゲ事件の渦中にいたヨーゼフ・マイジンガー等々、「第三帝国」と東アジアのはざまで浮かび上がる奇天烈な人物たち。彼らから矛盾と対立に満ちた国際関係と歴史の実相が見えてくる。『独ソ戦』(岩波新書)大木毅氏ら、気鋭の強力執筆陣が描く、第二次大戦秘史。

 1930年代から40年代にかけて、日本とドイツは加速度的に連携を深めていったように見えるが、両国の関係はきわめて多元的で、たえず緊張と軋轢をはらんでいた。
 そうした複雑な外交関係のなかで、本国ドイツにいられなかった“怪しげな”政商や情報ブローカー、政治的活動家、外交官として暗躍したドイツの「異端者」たちがいた。
 「満洲国」、日独防共協定、上海租界、ゾルゲ事件などを焦点として、両国の行く末を左右したこれらの知られざる「政治的投機者」たちの足取りを追い、その周辺の一群の関係者たちの動向を浮かび上がらせることで、矛盾と対立に満ちた日独関係の実相を明らかにするとともに、従来のイメージを一新する新たなナチス像を本書は提示する。

内容説明

1930年代から40年代にかけて、日本とドイツは加速度的に連携を深めていったように見えるが、両国の関係はきわめて多元的で、たえず緊張と軋礫をはらんでいた。そうした複雑な外交関係のなかで、本国ドイツにいられなかった“怪しげな”政商や情報ブローカー、政治的活動家、外交官として暗躍したドイツの「異端者」たちがいた。「満洲国」、日独防共協定、上海租界、ゾルゲ事件などを焦点として、両国の行く末を左右したこれらの知られざる「政治的投機者」たちの足取りを追い、その周辺の一群の関係者たちの動向を浮かび上がらせることで、矛盾と対立に満ちた日独関係の実相を明らかにするとともに、従来のイメージを一新する新たなナチス像を本書は提示する。

目次

序章 ナチス・ドイツと東アジア 一九三三‐一九四五―外交におけるガバナンスの喪失
第1章 フリードリヒ・ハック―日独防共協定締結の影の立役者
第2章 フェルディナント・ハイエ―ドイツの対「満洲国」外交で暗躍した政商
第3章 ハンス・クライン―中独軍事経済協力で暗躍した政商
第4章 ヘルムート・ヴォイト―日本と中国を相手に通商交渉に当たったビジネスマン
第5章 ヘルムート・ヴォールタート―対日・対「満」交渉を担当したゲーリングの腹心
第6章 ヴァルター・ドーナート―日本におけるナチスの「文化番」
第7章 ヨーゼフ・マイジンガー―東京に駐在したゲシュタポの幹部
第8章 ハインリヒ・シュターマー―日独伊三国同盟締結に寄与した外交官

著者等紹介

田嶋信雄[タジマノブオ]
成城大学法学部教授。北海道大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(法学、北海道大学)

田野大輔[タノダイスケ]
甲南大学文学部教授。京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。博士(文学、京都大学)

大木毅[オオキタケシ]
現代史家。立教大学大学院博士後期課程単位取得退学。DAAD(ドイツ学術交流会)奨学生としてボン大学に留学。千葉大学その他の非常勤講師、防衛省防衛研究所講師、国立昭和館運営専門委員等を経て、著述業。『独ソ戦』(岩波新書、2019年)で新書大賞2020大賞を受賞

工藤章[クドウアキラ]
東京大学名誉教授。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学

熊野直樹[クマノナオキ]
九州大学大学院法学研究院教授。九州大学大学院法学研究科博士後期課程修了。博士(法学、九州大学)

清水雅大[シミズマサヒロ]
秀明大学総合経営学部非常勤講師。横浜市立大学大学院国際総合科学研究科博士後期課程修了。博士(学術、横浜市立大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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パトラッシュ

104
ナチス関係本は相当読んできたが、なぜドイツ人があれほどヒトラーに熱狂したのか今もわからない。しかし従来の体制では昇進や利権を得られなかった階層が、既得権益の打破を期待してナチ党を支持した側面が確かにあった。特に本国から遠く離れた極東は、ヒトラー自身も明確な方針がなかったこともあり異端者が活躍できたのだ。本書に登場するドイツ人の多くが政商であり、混乱する情勢に乗じて金儲けを企んだり外務省抜きで外交交渉にあたるなど勝手放題に振る舞う姿は道化じみている。それもすべて第三帝国が千年続くとの幻想に囚われた結果だが。2022/02/22

スプリント

11
ヒトラー独裁で一枚岩と思いきや内部抗争が激しかったことがわかりました。 軍人と商人の暗躍し利権の確保に明け暮れた様がよくわかりました。2022/04/10

筑紫の國造

10
日中と満洲国で活動した、いや、副題にあるように「蠢いた」と言った方が適切なナチスドイツの人物伝。取り上げられる人物は外交、文化、諜報、経済など分野は様々だが、歴史の本流からは外れた、しかしそれだけに強烈な印象を残してゆく連中ばかりだ。中には、没年が詳しく分からない人物もいる。とはいえ、時に歴史の流れに少なくない影響も与えている連中だけに、学術レベルの文章でこのような列伝が出るのは大変ありがたい。個人的には、ゾルゲに手玉に取られた挙句、功名心で暴走したマイジンガーが一番とんでもないやつだと思う。2022/08/26

千本通り

5
元々ドイツは中国と貿易上も軍事上も関係が深かったのに、ナチスが政権をとって急に日本に接近してくる。公式ルートの外務省も国防軍も、そしてヒトラーさえ当初は東アジアにそれほど関心がなかったのに、いろんな人間の思惑から日独満は関係を深めていく。日本側も松岡洋右や大島浩、白鳥敏夫のような怪人物が絡んでくるが、ここではドイツ人に絞って紹介している。それぞれの人物の写真も載せてあるが意外と貴重である。好著。2024/02/17

高木正雄

4
ドイツの東アジア政策に一貫性がなかったことがよくわかった。重慶政府と日本との交渉を両立するとはすごい。文化、経済の人はよく知らなかった。マイジンガーとシュターマーは無茶苦茶だ2024/07/15

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