出版社内容情報
ユートピアという夢に魅了され、アンチ・ユートピアという悪夢に呪縛され、陶酔と恐怖の狭間を揺れ動きながらも紡ぎ続けられるユートピア的想像力――。「いま・ここ」にないものを求め、思い描いてきた文学的想像力の本質に鋭く迫る、畢生のユートピア論。
読売文学賞受賞の画期的名著の増補改訂版。
内容説明
ユートピアという夢に魅了され、アンチ・ユートピアという悪夢に呪縛され、陶酔と恐怖の狭間を揺れ動きながらも紡ぎ続けられるユートピア的想像力―「いま・ここ」にないものを求め、思い描いてきた文学的想像力の本質に鋭く迫る、畢生のユートピア論。読売文学賞受賞の画期的名著の増補改訂版。
目次
1 いま・ここを超えて(ロシアの夢;ポーランドの知;幻想の沃野)
2 陶酔から恐怖へ(前衛が幸福だった頃;アヴァンギャルドと全体主義再考)
3 ポスト全体主義(大きな物語の解体;蕩尽された未来の後に)
著者等紹介
沼野充義[ヌマノミツヨシ]
1954年東京生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得退学、ハーヴァード大学スラヴ文学修士。東京大学教授を経て、名古屋外国語大学教授。東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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風に吹かれて
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トマス・モアの『ユートピア』に登場する架空の国家の名前がユートピア。ギリシャ語の否定の助詞「ウ」と「場所」を意味する「トポス」を組み合わせた造語。 「どこにもない場所」を広く捉え本書はSFからお伽噺や一口話、そして「ユートピア五部作」として五冊の著作を書いたスヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチまで幅広く論じている。 専門がスラブ文学である著者。主にロシアやポーランドなどの作品を扱っている。ユートピア運動が全体主義の恐怖を生みだしたロシア。そういう歴史の中で生まれた多様な作品。 →2025/07/03