内容説明
「“女脳”は論理的ではなく感情的」「子育ては母親の仕事」「人類の繁栄は男のおかげ」―間違っている!旧来の「科学」がもたらしてきた偏見に真っ向から挑む!最新の科学が明らかにする、まったく新しい女性像。
目次
1 男と比べての女の劣等性
2 女性は病気になりやすいが、男性のほうが早く死ぬ
3 出生時の違い
4 女性の脳に不足している五オンス
5 女性の仕事
6 選り好みはするが貞淑ではない
7 なぜ男が優位なのか
8 不死身の年配女性たち
著者等紹介
サイニー,アンジェラ[サイニー,アンジェラ] [Saini,Angela]
イギリスの科学ジャーナリスト。オックスフォード大学で工学の修士号、およびキングス・カレッジ・ロンドンで科学と安全保障の修士号を取得。多方面で活躍している。『Inferior:How Science Got Women Wrong‐and the New Research That’s Rewriting the Story』は高い評価を得ており、英国物理学会『Physics World』誌で2017年のブック・オブ・ザ・イヤーに選ばれた
東郷えりか[トウゴウエリカ]
翻訳家。上智大学外国語学部フランス語学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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こぽぞう☆
22
図書館本。新刊の棚より。ちょっと思ってたのと違った。進化や心理学等の色々な知見を挙げ、男性を主に見てきて過ぎないか?という感じ。だれしも自分の置かれた場所から完全には逃れられないから、研究して実験して、結果を自分に都合よく解釈して論文を書いてしまう。狩猟採集社会では、男たちが狩りで得てくる食物より、女たちが集めたり、狩ったりする食物のほうが安定していて多いらしい。こうして人類学は進化した!という時、この視点は未だ反映されていない。2019/08/05
kitten
9
図書館本。女性と男性の性差は存在するのか?科学的にアプローチすればいいものの、なぜか政治的な問題になってしまい、高名な科学者といえども科学的に考えることが難しい。性差は「あるかも知れないが、思われているよりも少ない」といったところ。だいたい、男性と女性と簡単に分けられるものでもない。女性的な男性もいれば、逆もしかり。男性の方が有能という説はどうかと思うが、その反証の文化人類学や類人猿の研究にしても、「だから?」としか言えないものも多く、何ともいえないな。2021/04/14
kenitirokikuti
9
流し読みしたせいもあるが、期待外れ。この邦題、よろしくないように思う。乱暴にまとめると、ヒトは性差がとても少ない動物なので、男女の差ってのはおおむね文化的なジェンダーバイアスの産物にすぎないだろうっていうもの。まぁ、それを言い出したら心理学なんか全部憶説やんけ(実際にスティーブン・ピンカーが貶されてたが)。2019/04/30
66 (Audible オーディブル毎日聴いてます)
7
情報が多くて、しかも読むのに時間がかかり、あんまり覚えてない、、一番印象に残ったのは、男性が狩りで得るカロリーよりも、女性の採集で得るカロリーのほうが、確実かつ高かった、のあたり。現代の収入とカロリーは比較できないけど、外で働く労働と家事労働に似てるな、と思った。現金収入も必要だけど、それだけじゃ成り立たない。あとは、男女の脳は幼児期は変わらない、と思うことにした。違うのは周囲の働きかけと、環境。図書館本2019/08/24
せぴあ
5
膨大な研究論文を紹介しながら、「男は強く、女は弱い」女性差別を科学的に検証している。ジェンダーは私たちが生まれた時から刷り込まれてきたもので、科学者もおなじなのだ。若い母親が育児に援助がない場合、児童虐待を生む、という部分は考えさせられた。虐待を非難するだけではなく、ヒトの育児にはまわりの援助が必要なのだと。ニュウジの脳には生物的な男女の差はないという説を読み、ジェンダーは作られると確信したが、私自身ジェンダーにとらわれていて完全に抜け出すには容易ではない。 いろいろ考えさせられた本であった。 2021/05/05
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