ドゥルーズ『差異と反復』を読む

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  • サイズ B6判/ページ数 176p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784861827358
  • NDC分類 135.5
  • Cコード C0010

内容説明

現代思想において極めて重要なドゥルーズ哲学の核心をなす『差異と反復』。本書は、この難解をもって知られるテキストを、哲学に関心をもつ一般の読者にもわかるように、図式的かつ体系的に再構成して描き出す。まず『差異と反復』で語られた思想の大まかなイメージをつかむことから始め、「強度」「特異性」などの専門用語を一つひとつ丁寧に説明し理解を深めていき、最後にこの書の哲学上の意味と位置づけを明らかにする。

目次

第1章 先験的経験論の方法と主題(先験的経験論の方法;先験的経験論の主題)
第2章 強度による理念の個体化論(強度による理念の個体化論に向けて;強度による理念の個体化論)
第3章 理念の差異化=微分化論と理念の異化=分化論(理念の差異化=微分化論;理念の異化=分化論)
第4章 個体化‐ドラマ化‐差異/異化=微分/分化としての先験的経験論(先験的経験論の理論的な位置づけ;先験的経験論の理論的展開)
補論(思考という能力の超越的な行使の捉え直し;理念の差異化=微分化の捉え直し)

著者等紹介

森田裕之[モリタヒロユキ]
大谷大学教授。1967年生まれ。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程研究指導認定退学、博士(教育学)。名古屋芸術大学准教授をへて、現職。専門は、教育哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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またの名

13
嫌気が差すほど何度も説明しクドくなるのも厭わない丁寧記述で、難解過ぎる哲学書を読解。例えばaより前からaより後への移行が生じる時、aの前の前とaの前の後、aの後の前とaの後の後がそれぞれ差異を含む(異なる)ものとして想定されるので、さらにaの前の前自体にそれより前と後との差異が巻き込み包み込まれる相互貫入により差異概念を解説。こんな感じでドゥルーズ語を愚直に確認していく手際はもはやドゥルーズの正統的嫡子のやり方ではなく、カント研究のよう。先験的経験論という術語チョイスにしても諸能力図式の重視もカント学風。2019/05/30

ジャン

3
『差異と反復』における理念から存在者へと至る各過程に人間の感性・記憶・思考の超越的な行使を見出すために、これらのプロセスはすべて「人間の感官」における現象と捉えられ、ドゥルーズの議論が一種の独我論に回収されてしまっているが、これは正しいのだろうか。「理念の実在論」としての側面も示してはいるが、上記プロセスの初めに実在としての理念があることを指しているだけで、それであれば「物自体」を措定したカントと何も変わらないことになるので、あまり価値ある指摘ではないように見える。この辺り、誰か教えてほしい。2023/12/30

kana0202

2
現在の知覚が過去と未来の差異であるのはわかるような、しかし、そこに既に未来を思考するということがよくわからん。賽子のあたりは全然わからん。が、原書にあたってみようという気にはなる。2022/03/12

yu-onore

2
感性・記憶・思考という三能力が超越的に働き(カントの感性・悟性・理性に対応していそう)、あるものの「感じられることしかできないもの」をフックとして思考も出来るようになり、それが「所与」としてみなされる。認識のために組み替えられる身体→器官なき身体に通じる2020/12/16

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