内容説明
サイードの思想や“ポストコロニアリズム”を超えて中東‐西洋の関係を問い直す新たなる古典。「サイード後、最も傑出した中東出身の知識人」とされる著者がさらに混迷を深めるイスラーム世界と欧米の関係を、新たな歴史的視座で分析した名著。
目次
序章 テロの時代における知と権力
第1章 亡命知識人について
第2章 ゴルトツィーエル・イグナーツとオリエンタリズムをめぐる問題
第3章 私はサバルタン主義者ではない
第4章 主体の創造的な危機
第5章 巡礼者たちの旅(天路歴程)―革命家の越境について
第6章 内方浸透―エージェンシーなき知、ヘゲモニーなき帝国
第7章 新たなる有機性にむけて
結論 対話者を取り替える
著者等紹介
ダバシ,ハミッド[ダバシ,ハミッド] [Dabashi,Hamid]
米国コロンビア大学教授。専攻は中東研究・比較文学。「イラン出身のサイード」とも称される、現在、その発言が最も注目される中東出身の思想家である。1951年、イラン南西部のアフヴァーズ生まれ(アフヴァーズは、イラクにも隣接する州の州都)。1976年、米国ペンシルヴェニア大学に留学し、同大で博士号を二つを取得(文化社会学とイスラム学)し、1989年より現職。イランおよびイスラームの研究を基本としながら、広く中東地域の歴史・政治・文化について論じ、とりわけ2000年代に入ってからは特に旺盛な執筆活動を続けている(著書の数は30冊にも達する)
早尾貴紀[ハヤオタカノリ]
東京経済大学准教授。専門は社会思想史。1973年、福島県生まれ。東北大学経済学研究科博士課程修了
本橋哲也[モトハシテツヤ]
東京経済大学教授。専門はイギリス文学、カルチュラル・スタディーズ。1955年、東京生まれ。東京大学文学部英文科卒業後、英国ヨーク大学で博士号取得
洪貴義[ホンキウイ]
こう・きよし。法政大学、早稲田大学非常勤講師。専門は政治学・思想史。1965年生まれ。立教大学大学院政治学研究科博士後期課程単位取得退学
本山謙二[モトヤマケンジ]
大学非常勤講師およびライター。専門は芸能文化研究。1973年、静岡県生まれ。東京大学人文社会系研究科単位取得退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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