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値段と価値―なぜ私たちは価値のないものに、高い値段を付けるのか?

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  • サイズ A5判/ページ数 253p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784861826368
  • NDC分類 331.84
  • Cコード C0033

内容説明

マクドナルドの「ビッグ・マック」は、日本では390円、スイスは728円、エジプトは195円で販売されているが、じつは環境保全や社会的コストを加えて試算すると、原価だけでも2万円を超える。逆に、高級化粧品の直接原価は1%以下と言われる。つまり2万円の香水でも200円以下となる。本書は、現在の経済システムでは“値段”と“価値”は比例せず、まったく異なる基準で決定されているという事実を構造的に明らかにし、そうした経済と社会のあり方を問い直した書である。「ニューヨーク・タイムズ」紙のベストセラーリストに入り、世界的な反響を呼び16カ国で翻訳出版されている。

目次

第1部 なぜ“値段”と“価値”のギャップが起こるのか?―「お金で買えない価値がある。買えるものはマスターカードで」(“値段”とは?“価値”とは?;ホモ・サイエンスとホモ・エコノミクス;「企業」を精神科医が診断すると;「ダイヤモンドと水の逆説」の再考;政府の役割;「コモンズ」を考える)
第2部 21世紀の世界にとって“値段”と“価値”とは何か?―“無料=フリー”と“自由=フリー”の攻防(権利を持つための権利;「民主主義」の値段と価値;「地球環境」の値段と価値;「アントン症候群」は克服できるか?)

著者等紹介

パテル,ラジ[パテル,ラジ] [Patel,Raj]
米国在住のエコノミスト、ジャーナリスト。現在は、テキサス大学教授、そして南アフリカのロードス大学の上級研究員を務め、先進国と途上国の垣根を超えて国際的な研究・実践活動を進め、世界的に注目されている。1972年、ロンドン生まれ。父親はケニア出身、母親はフィジー出身。英オックスフォード大学、ロンドン・スクール・オブ・エコノミックス(LSE)を卒業後、米コーネル大学で博士号を取得。世界貿易機関(WTO)、世界銀行に、エコノミストとして勤務した。その一方で、アクティビストとしても活躍し、世界的に報道された1999年のWTO閣僚会議(米シアトル)での数万人による抗議活動を組織した、オルガナイザーの1人である。以降、世界銀行やWTO、G8やG20などの国際会議の際には、「会場の内外」で的確な批判を展開する論客として大いに注目を集め、その活躍ぶりは社会的公正を求める世界市民運動の「ロックスター的な存在」(オーストラリア『The Mercury』紙)とも称された。2016年には、「料理界のアカデミー賞」と呼ばれる米国料理界の最大の賞である「ジャームズ・ビアード賞」における「リーダーシップ賞」を受賞した。この賞は、食のあり方における持続可能性や社会的公正を推し進めることに、世界的なリーダーシップを発揮した人物に与えられるものである。米英では、新聞・雑誌・テレビなどに頻繁に登場するが、ロサンジェルス・タイムズ紙、ニューヨーク・タイムズ紙、サンフランシスコ・クロニクル紙、オブザーバー紙、ガーディアン紙などに、定期的に寄稿している。また、2008年には、米下院の金融サービス委員会において「世界食料危機」の原因について報告を行なうなど、米政府の政策決定にも影響を与える存在である

福井昌子[フクイショウコ]
立教大学法学部卒業。企業勤務、英国留学を経て、現在、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヘラジカ

52
値段と価値について漠然とした不満・疑問を持ったことはあっても、こうした構造や価格決定の原理について深く考えたことはなかった。ただ、資本主義システムの問題点について書かれているのを見ると、「なるほど」と思うと同時に「なんとなく知ってた」とも感じてしまう。大多数の一般人には市場社会のグロテスクさが漠然と察知されているのではないか。思ったよりしっかりと経済学に踏み込んでいて専門的な書。すごく面白い部分と退屈に感じる部分の落差があった。タイトルやあらすじに惹かれて手に取った人が読むべき部分は限られている気がする。2020/05/24

ポレ

10
新自由主義へのアンチテーゼ。「社会がもっとよく機能するためには、市場が利益を追求できるようにしておくことだとか、市場がもっともよく機能するためには、介入を最低限にとどめておくことだというのは、机上の空論でしかない」そして実践を通して、共有化こそ社会をよりよく変化させると主張する。2019/05/18

Mc6ρ助

8
『オスカー・ワイルド・・「今どきの人間ときたら、モノの値段のことは何でも知っているが、モノの価値については何も知らない」(p10)』『経済は無料で多くを手に入れ、それを当然としているのだが、そもそも論として、対価を払う能力がないのだ。(p30)』『持続可能な未来には市場が必要だが、その市場は、ごく一部の人びとが・・社会や地球を破壊し続けることのないように、・・共生し、人類共有の未来を大事にするような民主政治に関わるという、金銭的価値では計れない自由こそがもたらす(p235)』いっぱい引用したくなる好著。2019/08/21

スプリント

7
値段と価値に普遍的なものさしはないところがわかります。 このカラクリがあるからこそ貧富の差や所得格差は埋まらないのでしょうね。2019/04/30

チャー

5
モノやサービスの値段が決定される背景を経済だけではなく、社会の仕組みや政治等の角度から解明した本。そこで決められた値段が果たして本当に適切な価値を反映しているのかを説いている。マーケティングの手法の一つとしてフリー素材という考え方があるが、無料のものを過度に追い求める事は如何なものかということを考えさせられる。本質的にタダのものは存在せず、その費用はどこかで必ず発生している。本書では社会の仕組みを踏まえつつ、格差や環境負荷にも触れ、値段が何を意味するのかを示している。表示に惑わされず価値をよく考えたい。2019/08/31

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