内容説明
マクドナルドの「ビッグ・マック」は、日本では390円、スイスは728円、エジプトは195円で販売されているが、じつは環境保全や社会的コストを加えて試算すると、原価だけでも2万円を超える。逆に、高級化粧品の直接原価は1%以下と言われる。つまり2万円の香水でも200円以下となる。本書は、現在の経済システムでは“値段”と“価値”は比例せず、まったく異なる基準で決定されているという事実を構造的に明らかにし、そうした経済と社会のあり方を問い直した書である。「ニューヨーク・タイムズ」紙のベストセラーリストに入り、世界的な反響を呼び16カ国で翻訳出版されている。
目次
第1部 なぜ“値段”と“価値”のギャップが起こるのか?―「お金で買えない価値がある。買えるものはマスターカードで」(“値段”とは?“価値”とは?;ホモ・サイエンスとホモ・エコノミクス;「企業」を精神科医が診断すると;「ダイヤモンドと水の逆説」の再考;政府の役割;「コモンズ」を考える)
第2部 21世紀の世界にとって“値段”と“価値”とは何か?―“無料=フリー”と“自由=フリー”の攻防(権利を持つための権利;「民主主義」の値段と価値;「地球環境」の値段と価値;「アントン症候群」は克服できるか?)
著者等紹介
パテル,ラジ[パテル,ラジ] [Patel,Raj]
米国在住のエコノミスト、ジャーナリスト。現在は、テキサス大学教授、そして南アフリカのロードス大学の上級研究員を務め、先進国と途上国の垣根を超えて国際的な研究・実践活動を進め、世界的に注目されている。1972年、ロンドン生まれ。父親はケニア出身、母親はフィジー出身。英オックスフォード大学、ロンドン・スクール・オブ・エコノミックス(LSE)を卒業後、米コーネル大学で博士号を取得。世界貿易機関(WTO)、世界銀行に、エコノミストとして勤務した。その一方で、アクティビストとしても活躍し、世界的に報道された1999年のWTO閣僚会議(米シアトル)での数万人による抗議活動を組織した、オルガナイザーの1人である。以降、世界銀行やWTO、G8やG20などの国際会議の際には、「会場の内外」で的確な批判を展開する論客として大いに注目を集め、その活躍ぶりは社会的公正を求める世界市民運動の「ロックスター的な存在」(オーストラリア『The Mercury』紙)とも称された。2016年には、「料理界のアカデミー賞」と呼ばれる米国料理界の最大の賞である「ジャームズ・ビアード賞」における「リーダーシップ賞」を受賞した。この賞は、食のあり方における持続可能性や社会的公正を推し進めることに、世界的なリーダーシップを発揮した人物に与えられるものである。米英では、新聞・雑誌・テレビなどに頻繁に登場するが、ロサンジェルス・タイムズ紙、ニューヨーク・タイムズ紙、サンフランシスコ・クロニクル紙、オブザーバー紙、ガーディアン紙などに、定期的に寄稿している。また、2008年には、米下院の金融サービス委員会において「世界食料危機」の原因について報告を行なうなど、米政府の政策決定にも影響を与える存在である
福井昌子[フクイショウコ]
立教大学法学部卒業。企業勤務、英国留学を経て、現在、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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