イスラーム法とは何か?

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  • サイズ B6判/ページ数 269p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784861825538
  • NDC分類 322.28
  • Cコード C0014

内容説明

これまで日本人が漠然と持ってきた「イスラーム法」のイメージを脱構築。ムスリムの生き方を規定しているイスラームの教え、「真のイスラーム法」と言うべきものとは何か?その最低限の基本と要諦を、日本では数少ないイスラーム法学の修学免状取得者であり、イスラーム法学の第1人者である著者が教える。

目次

「イスラーム法」などというものは存在しない
第1部 イスラーム法の基礎(イスラーム法とは何か―これだけは知っておこう、基本的なこと;オリエンタリストのイスラーム法研究の問題点―私たちの「考える枠組み」を考えなおす;解釈学としてのイスラーム法学―「法」のみを切り取って理解はできない)
第2部 イスラーム神学と法学の交差(言葉として顕現する神―誰に「責任」を負うのか?;理性と啓示の虚偽問題を超えて―理性による善・悪(利害)の判断
イスラーム法の非霊的権威―もしくは、イスラーム法の「非」宗教的性格)
第3部 イスラーム法学の要諦(現世と来世を貫く法―あの世が組み込まれた構造;イスラーム法の主体―誰が法を守り、誰が裁き、誰が裁かれるのか?;イスラーム法の要としてのカリフ―法と法“外”の問題)
「時間のなかを生きる」人間がなすべきこと

著者等紹介

中田考[ナカタコウ]
1960年生まれ。イスラム法学者。同志社大学客員教授。一神教学際研究センター客員フェロー。1983年、イスラーム入信。ムスリム名は「ハサン」。東京大学文学部イスラム学科の一期生。東大大学院人文科学研究科修士課程修了。カイロ大学大学院哲学科博士課程修了(哲学博士)。クルアーン釈義免状取得、ハナフィー派法学修学免状取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Koning

31
ハサン中田考師の信仰告白だよねぇ。うん(汗。イスラーム法という言葉が日本語では法という概念をイスラームに限定したものでシャリーアはそもそもが法というより教えであってイスラームそのものというところから始まり、ここで語られるのはフィクフ。結局は神学と同様クルアーンとハディースから導き出す何かだというあたり。それからの解説はハナフィー派の法学ということになるんだろなぁ。少なくともいつもの中田節2015/12/10

kenitirokikuti

7
ハサン中田考はクルアーン釈義免状取得と、ハナフィー派法学修学免状取得。「ハナフィー派法学」とは、平たく言うとオスマントルコ公式のもので、エジプトやサウジアラビア、イランは別。依拠する神学が違うという感じ▲日本の義務教育は法教育を欠いている。社会科内で憲法について簡単に教わる程度。ケルゼンの純粋法学の影響が強い。近代法は国家が国家に対して定める規範の体系。〈不法行為に対して強制を生じせしめる強制規範〉。国家は不法行為を咎めるよう強制されるので、国民はそこから社会規範を読み取るしかない。2018/02/24

田中峰和

6
イスラーム法などというものは存在しない、それは幻想にすぎず、実在しないと本の題さえ否定する。本書の目的はイスラーム法のイメージを脱構築し、日本人が考えるような法は存在しないことを明らかにしたうえで、真のイスラーム法とは何かを示すことにあると主張する著者。中田はキリスト教との比較で、常にイスラーム教の優位を説く。ムハンマドが生きた時代の日常言語で保存されたクルアーンやハディースに比べ、イエスの肉声のアラム語などまったく保存されず、ギリシャ語で新約聖書が編集されたキリスト教はまがいモノとする。一理あるのか。2016/02/11

Amano Ryota

3
本文の最初から「『イスラーム法』などというものは実のところ幻想にすぎず、どこにも実在しません。と言えば、極端に聞こえるかもしれません。」と始まり、『イスラーム法とは何か?』という本をまさに今読もうとしている読者は、少し面食らってしまいます。もちろん、これは「イスラーム法」と呼びうる対象が存在しないわけではなく、日本語で「イスラーム法」と呼ばれることで捨象されてしまうものを、本書全体で俯瞰するための布石です。知識のない初学者でも、イスラームの法学が何を背景としているかを学べる、開かれた概説書だと思いました。2018/04/28

牛タン

3
内容:イスラーム法学(フィクフ)の概説。感想:イスラーム法学を語るのに、なぜいちいち西欧社会やキリスト教世界への批判が必要なのか、というのがまず最初の感想。また自身のスタンスを明らかにせず、サラフィー主義の、あるいはそれに親和的な主張ばかり取り上げている(たとえば、カリフ統治論の節では参照している学説のほとんどがイブン・タイミーヤのもの)あたり、非常に偏っているなと思った。イスラーム法学自体の性格なのかもしれないが、あの人がこう言った、あの書物にこう書かれているといった内容ばかりであまり面白くなかった。2015/11/26

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