内容説明
カント・ヘーゲルに連なるドイツ哲学の伝統とカバラと離散の精神を内在するユダヤ系ドイツ思想。世界の哲学・思想界の未踏の高みに到りながら、ホロコーストに極まる未曾有の頽落に遭遇した思想家たちとその精華への親愛の星位図。
目次
私のユダヤ学事始め
ヨーロッパのアイデンティティ
ジンメルの肖像
アドルノにおけるミメーシス
ベンヤミンの方法と方法としてのベンヤミン
ベンヤミンとクレーの交錯
イディッシュ文学の内・外
フランクフルト学派と反ユダヤ主義研究
ライヒvs.フロイト
モーゼと一神教
アーレント「悪の陳腐さ」をめぐって
「根源悪」の問題性
著者等紹介
徳永恂[トクナガマコト]
1929年、浦和市に生まれる。1951年、東京大学文学部哲学科卒業。北海道大学、大阪大学、大阪国際大学教授を経て、大阪大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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T.Y.
7
著者は学会でお見かけしていたが始めて著作を手に取る。近年の学会講演等の集成で、少年時代のことから始まる自らのユダヤ学事始め、そしててジンメル、アドルノ、ベンヤミンと表紙にもあるクレーの天使、ライヒvsフロイトにフロイトのモーセ論、アレントと悪の陳腐さ…と、ドイツ・ユダヤ思想研究の大家たる著者の思考が詰まっている。いわゆる純粋哲学では二線級と扱われがちな思想家達についての論攷としての良いものではないか。最後は木田元との対談。やはりハイデガーの話題が多く、ある種意地悪くも鋭い読みが展開される。2018/07/17
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