出版社内容情報
一昨年他界した日本画家が、雑誌やブログなどに記した文章を纏める遺稿集。交流のあった作家/評論家たちの共同編集。
内容説明
鎌倉に、夭折の美人画家がいた。絵画を愛し、酒を愛し、露地奥の一軒家で料理の腕を振るい、恋に生きては、ひたすら絵を描きながら、貧困のうちに斃れた日本画家瓜南直子。
目次
第1章 兎神国の国造り
第2章 日々、発酵し熟成するもの―「瓜南直子のブログ」より
第3章 寝目物語
第4章 心に焼きついた詩の一行のように
第5章 味のスケッチ
第6章 絵の神様が、私を手放すはずはないんだ―「ノート/日記」より
著者等紹介
瓜南直子[カナンナオコ]
1955年石川県生まれ。画家。1981年、東京藝術大学美術学部工芸科(鍛金専攻)卒業。1982年より鎌倉に住む。2012年6月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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AppleSugar
3
葉山美術館で、ひと目見て惹きつけられた画家の瓜南直子さんの日記や商業用の文章、Blog記事などを集めたメモアール。 初めて触れる作品でもその人の作品、ということが一瞬でわかる瞬間の愉悦は、絵画芸術の力だと思う。 多分、過去に何度か、彼女の空想する兎神国物語に基づいた作品を見たことあった。そして、ついにこの本を手に取るまでにいたる。想像以上に文才に溢れ、最初の儚く狂気に満ちた夭逝の天才画家の日記、という安直なラベルは後景にうつり、単純に文章を楽しんでいる自分がいた。2025/05/08