内容説明
経済成長か、はたまた縮小均衡か。さらに別の道もあるのか?資本主義を世界的視座から問う。
目次
第1部 グローバルな視点から、ケインズの現代的意義を考える(金融危機後の、「輸出主導型成長」と「対外債務削減」という幻想;今日の世界でケインズの国際経済学は通用するのか?;なぜケインズが重要なのか―イギリスの政策形成の視点からの検討;現代世界におけるケインズ;哲学から見たケインズの今日的妥当性)
第2部 シンポジウム1 世界経済の危機的状況をめぐって(世界同時不況と景気循環;資本主義はいずこへ;歴史の危機と21世紀の利子率革命)
第3部 特別講座 ケインズ経済学―回顧と展望
第4部 シンポジウム2 ケインズと現代の危機(ケインズと「危機」の思想;ケインズと現代理論;ケインズと国際経済―対外インバランスについての新しいアプローチ)
著者等紹介
平井俊顕[ヒライトシアキ]
1947年生まれ。上智大学名誉教授。専攻:経済学史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Francis
12
再々読。前著「危機の中でケインズから学ぶ」に続くケインズ学会の論集。海外ケインズ研究者の論集、福岡正夫先生の特別講演、シンポジウム1、2で構成されているのだが、どの論もとても面白い。ケインズ研究はまだ始まったばかり、と言う印象を受ける。この本もこれから何度でも読んでケインズをよりよく知る手掛かりとしたい。2021/01/15
Francis
8
再読。ケインズ学会の論集。東西冷戦がアメリカで合理的形成仮説など新自由主義の興隆をもたらしたとする間宮陽介先生、ケインズを蓋然性の概念から新たに読み解こうとする酒井泰弘先生、資本主義の終わりを論じる水野和夫先生の論が面白かった。2016/06/07
Francis
2
日本で最近設立されたケインズ学会による編著。間宮陽介、水野和夫両氏以外の名はほとんど知らなかったけれども、いずれの論者も刺激的な論文を書かれている。シンポジウムの内容もとても刺激的。論者の中では浅子和美、平井俊顕、酒井泰宏氏の論文が面白かった。福岡正夫氏の「ケインズ革命は未完である」との言葉には全く同意。私も大学でケインズを本格的に研究したくなってしまった。(まず無理だとはわかっているけどね。)2014/04/22