内容説明
ひなびた村に心の慰めとして飼われるろばたちを探して訪ね歩き、田舎町の美しい自然の情景や、おだやかな生活を営む人びととの心あたたまる交流をやさしく、ときにユーモラスに語る、詩情に満ちたフランス紀行。各地へのアクセスガイド付。
目次
序章 はじめて見たろば
第1章 サンチャゴ巡礼の女
第2章 ル・ブイスウ村の寺男
第3章 ペルージュ村の兄弟
第4章 アルボア村の少年
第5章 スミュールのクロード
第6章 エギュランド村のろば
第7章 サン・シモン村のマリアンヌ
第8章 ピレネーの里山にて
第9章 スティヴンスンのろば
第10章 オーヴェルニュのレクイエム
著者等紹介
西出真一郎[ニシデシンイチロウ]
1935年、三重県生まれ。58年、三重大学教育学部卒業。以後三重県内の高等学校の国語科教諭をつとめ、96年定年退職。爾来、国内とフランスの各地に主として徒歩の旅をつづけている。詩誌「石の詩」(渡辺正也主宰)同人。『家族の風景』により第5回現代ポイエーシス賞。2006年。「少年たちの四季」(30句)により第9回俳句朝日賞。2007年(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ジュースの素
3
高校教師を定年後、日本各地をくまなく回り、次にはフランスを毎年2か月ずつ歩き回る旅をする著者。羨ましい旅だ。 フランスの田舎にもめっきりロバはいなくなった。労働に使う人はもはや皆無。 我々が名前など全く知らない小さな田舎の村を次々に訪れ、歩く。ロバはいないかと聞けば妙な顔をされる。ペットで飼っているロバがたまにいて、写真を撮ったり乗せて貰ったりする。素朴な人々との会話や田舎の風景が無理のない言葉で綴られる、気持ちの癒される文章だ。2015/05/04
ワッピー
2
このような目的のある(あるいはない)旅をしたいものです。ろばを求めてフランスの田舎道をいく、実にさわやかな紀行。この方の文章は、他者との距離が絶妙で、つかず離れず、一見さらりとしていてもかなり深いところまで写し取っている気がします。2012/11/03
de sang-froid
1
現在ではフランスでもロバが労働に使われることはめったになく、ペットとして大切に飼われているようです。実用的でなくなったので、数もぐんと減っているようですね。2012/06/09
ヒラタ
0
実際にフランスで巡りあった ろばと人々の話なので、その後の彼らはどうしているのだろうと思いを馳せました。 時々ロマネスク教会を訪ねたことも 書かれていて、日本では一般的に知られていない小さなロマネスク教会があちらこちらにあるのだな、私もそういう旅をしてみたいと思いました。2017/05/21
natsumi
0
年末に古本で入手した紀行文。ろばの写真はかわいい! …けど、時々引き合いに出される日本のエピソードは別にどうでもいいような話が多かったり、文章のほうは日本の普通のおじさん的な感覚が鼻についてしまったな🙃2021/06/09
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