内容説明
偉大な父を持ったがための屈託。闇米を拒否して死んだ伝説の判事の息子が巡る、酒と女と借財塗れの火宅の日々。際限なき愚行の果てに辿り着く人生の真実。
感想・レビュー
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ごま麦茶
3
2024年度前期連続テレビ小説『虎に翼』に出てきた花岡さんのモデルである、闇米を拒否して亡くなった判事・山口良忠さんの息子さんの本。「美談の子」として父と比べられ、ひねくれ、酒や女に溺れ借金まみれ、何かあると父の名前を出す。読みながらちょっとモヤモヤ。時代なのかもしれないけれど。後半の、良忠さんから家族への手紙に、判事さんは本当に素晴らしい人だったんだなぁと思いました。『自分の人生を完成させる』。小説なつもりで読み始めましたが、途中、実在の方(村上春樹さんとか)が出てきて、実際のことだとハッとした。2024/06/12