内容説明
貧困ゆえに、わずかな金で親に売られた13歳の少女。衝撃的な事実を描きながら、深い叙情性をたたえた感動の書。全米図書賞最終候補作、グスタフ・ハイネマン平和賞受賞作。
著者等紹介
マコーミック,パトリシア[マコーミック,パトリシア][McCormick,Patricia]
小説家・ジャーナリスト。ニューヨーク在住。『私は売られてきた』で、グスタフ・ハイネマン平和賞を受賞。同書は、全米図書賞最終候補作にもなった
代田亜香子[ダイタアカコ]
神奈川県生まれ。立教大学英米文学科卒業後、会社員を経て翻訳家に
金原瑞人[カネハラミズヒト]
岡山市生まれ。法政大学教授。翻訳家。ヤングアダルト小説をはじめ、海外文学作品の紹介者として不動の人気を誇る。著書・訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
121
ネパールで実際に行われている人身売買をテーマにしたヤングアダルト小説。著者によるとこの地域では、1万2千人近い少女がインドの売春宿に売られているそうだ。主人公が実際の仕事をさせられる場面は、読むのが辛かった。最初で描かれている自然の中での家族との慎ましい生活と、後半のインドの売春宿での地獄のような生活の対比が心に残る。自分の考えや想いを交えずに、短い章立てで徹底して少女の視点から物語を進めていく作者の手法に感心した。どうしようもない現実を変えうる力を持った素晴らしい物語だと思う。2015/03/22
かおりんご
27
中高生向け。ネパールの貧民の女の子の話。子供がどんな目に遭うのか、知ってか知らずか、子供とお金を引きかえにする親。騙されて、インドの売春街に連れて行かれる子。脱走しようにも、薬漬けにして監禁する売春主。子供だとわかっていて買いにくる男性。いかがわしく、不法なことが行われていると知っていながら、袖の下をもらって見て見ぬ振りをする警察。こんなにも悲しいことが、同じ地球の上で行われている。お話とはいえ、読んでいて苦しくなった。2021/11/07
はなん
24
図書館本)読友さんのレビューから初めて知った一冊。図書館で借りたその場で読み始めやめられなくなった。短い章で進む物語が少女の心情と状況を的確に表して悲しく苦しい。非常にショッキングな事が未だに続いている現状。読むのが辛くなりながらも、それだけではない姿。ラスト。しっかりと名乗る少女に涙が流れた。知らなかった、知っていないといけないノンフィクションを元にした一冊。打ちのめされる。2015/03/27
けんとまん1007
12
まさにリアルタイムの事実にもとづいた書であることに、さらに衝撃を受けた。50万人とも言われるその数。つくづく思うのだが、そういう現実に対して自分ができることは何か?と言うことと、こういう現実の問題を解消する根源的な方法はどこにあるのか?と言うこと。自分に出来ることは、自分が知ること、そしてもう1人に知ってもらうことからだろうかと。2010/12/12
DEE
10
継父に売られて、ネパールからインドに連れてこられ、売春婦として働くことになった13歳のラクシュミー。 出てくる人間が全てクズなので嫌な気持ちになる。そしてこれが現実にもある話なんだと思うと絶望する。 自分は虐待の話は苦手。2021/09/22
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