愛するものたちへ、別れのとき

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  • サイズ B6判/ページ数 284p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784861822681
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

アメリカの、ハイチ系気鋭作家が語る、母国の貧困と圧政に翻弄された少女時代。愛する父と伯父の生と死。そして、新しい生命の誕生。感動の家族愛の物語。全米批評家協会賞(自伝部門)受賞作。

目次

第1部 兄弟(父の人生;瀕死;報告;離別;死すべき生命;グッ・バイ;生命を産む;帰郷・再会;二人の父;ジプシー)
第2部 悩みのときのために(声;死の天使と父なる神;とんだ礼砲;辛い別れ;闇を打つ;地獄;打ち捨てられしもの;恥辱;在留外国人二七〇四一九九九号;明日;苦しみ;落ちる星の定め;来世で;別れる準備のとき)

著者等紹介

ダンティカ,エドウィージ[ダンティカ,エドウィージ][Danticat,Edwidge]
1969年ハイチ生まれ。12歳のときニューヨークへ移住、ブルックリンのハイチ系アメリカ人コミュニティに暮らす。バーナード女子大学卒業、ブラウン大学大学院修了。94年、修士論文として書いた小説『息吹、まなざし、記憶』(Breath,Eyes,Memory,Random House)でデビュー。少女時代の記憶に光を当てながら、歴史に翻弄されるハイチの人びとの暮らしや、苛酷な条件のもとで生き抜く女たちの心理を、リリカルで静謐な文体で描き出し、デビュー当時から大きな注目を集める

佐川愛子[サガワアイコ]
1948年生まれ。女子栄養大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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どんぐり

86
ダンティカ2冊目。1969年生れのハイチ系アメリカ人作家の自伝的作品。12歳の時にハイチから移民として両親のいるニューヨークに移住。それまで伯父一家と暮らす。物語は、作家にとって愛してやまぬ二人の父親を中心に進む。新しい生命の誕生を迎えるなか、いま二人との別れが訪れようとしている。一人は末期の肺線維症にある実父、もう一人はハイチの政治的混乱と暴動・殺戮から国外に逃れ勾留された伯父。ハイチで過ごした作家の少女時代、移民として暮らすアメリカとハイチの家族の物語をとおして、読者はハイチという国を知ることになる。2021/03/10

アキ

76
ニューヨークの英語が下手なハイチ出身のタクシードライバー。ハイチから2歳の娘を残しアメリカへ亡命し、2年後母親もアメリカへ渡った。残された娘が著者である。彼女はハイチで伯父に育てられ、14歳の時アメリカへ渡る。ハイチは1804年世界初の黒人共和国となるが、政情不安が続き、牧師だった伯父もハイチの内戦でアメリカへ亡命しようとしたが勾留される。伯父は逝き、父との最後の別れの前に彼女は子供を授かる。その子に父の名をつける。2つの祖国が彼女の心を引き裂くが、新たな生が希望となる。時代に翻弄された感動的な父娘の話。2020/03/11

ぱせり

9
ハイチという国がどういう状態にあるのか、そして、亡命を求める人たちをアメリカがどのように扱うのか、あまりに惨たらしい現実を見せつけられるが、そうした、まるで掃きだめのような現実以上のリアルさで、死ぬ運命と誕生させる運命とが螺旋のように巡り、まるで美しい花のようにすっくりと立ちあがる気がする。静かな喜びが湧き上がってくる。 2016/06/19

Tomo★

1
ハイチという国の話。戦争の惨たらしさ。そして、生命が終わる時と、始まる時の話。ノンフィクション。心にぐぐっとくる。2015/02/01

ハッカ飴

1
ハイチという国の歴史を知ることができた。日本も含めていろいろな国に占領を続けるアメリカという国に謎と反感を持った。肉親の情愛がとても美しく感じられる。最貧国といわれるハイチ、でも心は豊かだ。2010/03/10

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