内容説明
かつての世界の憧れの国は、根底から変わってしまった。アメリカン・デモクラシーは姿を消し、人口の13%が飢え、16%が医療保険に入れず病院に行けない超格差社会となり、教育の場では宗教が科学と入れ替わろうとしている。これは、“彼ら”が「四つのM」(マネー、メディア、マーケティング、マネジメント)を駆使し、財団、シンクタンク、ロビー活動、政党、弁護士、活動家組織を通して、じっくりと戦略的にアメリカを乗っ取る「長征」を行なってきた結果である。本書は、米国社会と権力にメスを入れ、“彼ら”の戦略と戦術を詳細に分析した、欧米で話題の書である。
目次
第1章 つくり変えられた常識―いかに右翼は文化的ヘゲモニーを握ったのか?(新自由主義の「教義」;「今ではみなサッチャー主義者」―ピーターの友人たち ほか)
第2章 外交政策とネオコン(アメリカと外交政策;中東に魅惑されるネオコン ほか)
第3章 キリスト教右派による「長征」(アメリカ政治と宗教;宗教勢力の歴史と現在 ほか)
第4章 風前の“啓蒙の灯”―科学への攻撃(「愚鈍化」するアメリカ;科学と宗教―相容れない二つの世界 ほか)
第5章 ロビイストと権力―ビジネス界の圧力がつくり出す格差社会(ロビーとは何か?;全米商工会議所と文化戦争―パウエルの処方箋 ほか)
著者等紹介
ジョージ,スーザン[ジョージ,スーザン][George,Susan]
1934年、アメリカ合衆国生まれ。マサチューセッツ州・スミス大学で仏文学と政策科学を学んだ後、パリに移住し、ソルボンヌ大学で哲学を、社会科学高等研究院で政策科学を学び、同研究所で博士号を取得した。現在、パリ在住。1976年、アフリカやアジアで深刻化する飢餓の“本当の原因”を追求した本『なぜ世界の半分が飢えるのか』(邦訳1980年、朝日新聞社刊)を出版。「世界の人々の魂を揺さぶった本」と絶賛され、世界的なベストセラーとなった。以後、多国籍企業、国際的食糧問題、南側諸国の債務問題、国際機関などについて、政治経済の動向と世界の人々の実際の生活との関係を、草の根ネットワークを使って地球の隅々から集めた情報をもとに研究し、世界に警告を与えている。「トランスナショナル研究所」(TNI、アムステルダム)の所長、「グローバリゼーション観測所」(パリ)の代表を務めた一方、国際NGO組織「ATTAC」の副代表としてオルター・グローバリゼーションの国際的市民運動の理論的リーダーとして活躍した。2008年、洞爺湖サミットに合わせて来日し、G8サミットの不当性を訴える講演を札幌・東京で行なった
森田成也[モリタセイヤ]
1965年、奈良県生まれ。一橋大学大学院経済学研究科博士課程満了退学。現在、駒澤大学経済学部非常勤講師。専攻は理論経済学
大屋定晴[オオヤサダハル]
1973年、愛知県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位修得退学。現在、東京農工大学ほか非常勤講師。専攻は経済思想・社会思想史、社会運動論
中村好孝[ナカムラヨシタカ]
1974年、広島県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。現在、滋賀県立大学人間文化学部助教。専攻は社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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aruku_gojira
可兒
メルセ・ひすい
メルセ・ひすい
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