内容説明
福音書著者の原文と後世の付加との相違を徹底的な言語分析によって確定し、真のヨハネ福音書の姿を甦らせる!イエスの絶対的超越性を描きながら初期キリスト教の実態に対して鋭い批判を放つ、著者の真意を見事に炙り出す。
著者等紹介
田川建三[タガワケンゾウ]
新約聖書学者。1935年東京にて生(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Koning
15
何せ予定を変更してのヨハネ福音書で1冊というだけあって註のボリュームは凄いです(笑)。今回かなり頻繁に叩きのめされてるのはブルトマン(w。そして原著者と教会的編集者のあぶり出しについては古典ギリシア語や聖書ギリシア語(ヘレニズムギリシア語)をやってる人がヨハネで読みにくい一端を何だ!と判らせてくれる。例によって文法的解説も豊富なので、NA読んでますって人にもどう訳すべきか?少なくとも考えるヒントをいろいろと与えてくれるので、必読と思います。しかし、大労作。恐れ入谷の鬼子母神でございます。2013/07/31
Choloepus
3
本文が72ページまでで、註がそこから753ページまで!2013/07/17
MatsumotoShuji
1
断定口調ながら何を言っているのかよく分からない、その力強さと難解さで他の三書とは別次元に位置するかに思われた「ヨハネ福音書」。実はその難解さは、神学的配慮に基づく後世の書き込みのせいだったそうな。それを田川さんは例によって一字一句ごとに検証して証明してみせる。ただし、そのもとになった「原始ヨハネ」も素朴なイエス賛美ではなく、一筋縄ではいかない。結局よく分からないけど何だかすごい「ヨハネ」だ。2019/09/22