内容説明
初期キリスト教の姿を生き生きとかつ精確に伝える希有な記録。パウロの同労者として伝道旅行に同行したルカが、自らの体験と直接的な情報をもとに描き出す初期キリスト教史。
著者等紹介
田川建三[タガワケンゾウ]
新約聖書学者。1935年東京にて生(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Koning
4
本文80ページ弱。註約600ページ。使徒行伝の解説としても出色のデキと思われ。クリスチャンという語の由来、我ら個所については目次に項目を建てる程に詳細に論じている(例によって田川節全開で滅多切りともいいますが(w。 少なくともこの位きっちり何故この訳語を選んだか、何故この本文を選んだか(NAやUBSの本文を無批判で使うということはしていない)言い訳がしてあるので、別の翻訳やギリシア語原文と付き合わせて読むにも非常に参考になる。やはり、或る程度聖書ヲタな者には必須ですな。2012/07/05
MatsumotoShuji
2
聖書から教条的曲解と神学的捏造を引っ剥がした方がパウロの超人的・狂信的苦闘がより痛切に伝わりますよ、というお話。すさまじい行動力と集金力。パウロは嫌いだったけど、ちょっとだけ見直した。イエス様もきっと天国で苦笑しておられたことでしょう。2018/03/16