内容説明
人間的霊性(スピリチュアリティ)の根源と究極を共に深く見据える宗教と文学。古来両者は相補・相克しつつ精神文化を形成してきた。少年期より著者が感化された十七人の作家と作品に対峙し、最も人間的な営為を描き出す文学作品に表れた「聖なるもの」の秘蹟と深淵を探る。
目次
ジョバンニの生成―銀河の「孔」を抜けて
遠藤周作―「悲しみ」という道しるべ
宮沢賢治―超越への飛翔
ノヴァーリス―魔術的観念論の秘孔
空海―大日如来の波の行方
折口信夫―呪力と魂乞ひ
三島由紀夫―エロスとしての死
中上健次―「路地」の両義性
高橋和巳―生涯にわたる阿修羅
ドストエフスキー―自由と聖性への「ふみ越え」
ニーチェ―哄う預言者
バタイユ―稲妻のエロティシズム
ロートレアモン―殺人の神学
寺山修司―「完全な死体」へ向かう言葉
美輪明宏―美と信仰と仏性と
著者等紹介
鎌田東二[カマタトウジ]
1951年徳島県生まれ。国学院大学文学部哲学科卒。同大学院神道学専攻博士課程修了。京都造形芸術大学教授。NPO法人東京自由大学理事長。猿田彦大神フォーラム世話人代表。博士(文学、筑波大学)。宗教哲学、日本思想史、民俗学。専門の宗教学の範囲にとどまらず、猿田彦神社の「おひらきまつり」などの新しい祭りの創出や各種イベントを開催。「神道ソングライター」として、2001年ファースト・アルバム『この星の光に惹かれて』、2003年セカンド・アルバム『なんまいだー節』をリリース。各地でライブ活動を展開。石笛奏者でもある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。