内容説明
グローバル化と合衆国の暴力が吹き荒れている21世紀世界の隅々では、現在、いかなる論争・抵抗運動・批判的知性が展開しているのか?反グローバル・反帝国のグローバルな結集点であり、いまや地球全体をおおう巨大な台風の目となった「世界社会フォーラム」をめぐる白熱した論議から、先進国から第三世界まで40名の知識人・活動家のホットな論文を編纂した、初の総括的論文集。
目次
第1部 WSFの前身―批判的パースペクティブ(グローバル、そしてナショナルな闘いのために;1930年代の再来か? ほか)
第2部 WSFの経験―ダイアリー(もうひとつの世界は可能だ/民衆によるグローバル化―世界社会フォーラム・ポルトアレグレの舞台と物語から;中産階級からのグローバル化?―周縁からの考察)
第3部 WSFをめぐる論議―批判的関与(開かれた空間としての世界社会フォーラム;世界社会フォーラムは、舞台か、演技者か? ほか)
第4部 WSFのグローバル化―インドでのフォーラム(もうひとつの世界への長い道のり―世界社会フォーラム組織委員会の一員による、インドにおける世界社会フォーラム・プロセス初年度にたいする考察)
第5部 WSFの展望―実現可能な未来・実現可能な世界(WSFは、どこへ向かおうとしているのか?;前衛主義のたそがれ ほか)
著者等紹介
セン,ジャイ[セン,ジャイ][Sen,Jai]
職業建築家であるとともに、かつてはインドのカルカッタ(今日のコルカタ)を拠点とした住居・労働・諸権利に関わる問題の活動家であった。現在はニューデリー在住の在野の研究者。インドにおける民衆運動の歴史と変遷や、市民運動のグローバル化について研究している
アナンド,アニタ[アナンド,アニタ][Anand,Anita]
インドの地方開発に関する仕事に就いたのを皮切りに、20年間、北アメリカとヨーロッパですごし、ワシントンDCで政策アナリストとして活躍、イタリアやインドで、ジェンダー的観点から開発問題をあつかう革新的なニュース局を運営。30年間にわたって、市民社会ネットワークと開発問題にたずさわってきた
エスコバル,アルトゥーロ[エスコバル,アルトゥーロ][Escobar,Arturo]
現在、アメリカ合州国チャペルヒルのノースカロライナ大学人類学部とコロンピア・ボゴタのコロンビア人類学歴史研究所で研究にあたる。過去10年にわたって、コロンビアのいくつかの社会運動やNGOで、とりわけ太平洋沿岸地域の黒人運動やグローバル化、女性、環境、土地についてのNGOで活動
ウォーターマン,ピーター[ウォーターマン,ピーター][Waterman,Peter]
オランダのハーグ社会調査研究所で、およそ30年間にわたって研究にあたる。1980年代半ば以降は、社会・労働運動の国際化を主な研究対象としている。国際的な団体や運動で終始活動し、解放のためのサイバースペース活用について執筆し、それに関与もしている
武藤一羊[ムトウイチヨウ]
1931年生。東京大学文学部中退。69年、英文雑誌『AMPO』創刊。73年、アジア太平洋資料センター(PARC)を設立、96年までPARC代表・共同代表、国際プログラム「ピープルズ・プラン21」を推進。98年、ピープルズ・プラン研究所を設立、共同代表となる。2002年、アジア平和連合(APA)創立に関わる。1983~2000年、ニューヨーク州立大学(ビンガムトン)社会学部教員
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。