内容説明
英美は中三の女の子。大学生の恋人がいるという早熟な親友オッコちゃんを、ハラハラしながらも憧れの眼差しで見守っている。けれども夏休みのある日、遊びに行った川原でオッコちゃんの重大な秘密を聞いてしまったことから、二人の関係は…。大人になることにゆれ動く心、大切な人との別れと再会。遠い思い出の欠片のようにきらめく、切なくてほろ苦い青春小説。
著者等紹介
前川麻子[マエカワアサコ]
1967年東京都生まれ。舞台・映画女優を経て、『鞄屋の娘』で第6回小説新潮長篇新人賞を受賞し、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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葦附
4
連作短篇集。全編すごく好みの話だったと思う。通読すると人生の話。■なにか……どこかでこれは読んだことがある……と思ったけど『川に飛び込む』はピュアフルアンソロジーで読んでたんですね。そうかそうか。アンソロジーのなかの一つとして読むのとではまた受ける印象違いますね。こっちで読んだときのほうがちゃんと受けとめられたような気がする。あるいは読むのが二回目なせいかもしれないけど。■一篇めと四篇めのリンクのさせかたがすごく好き。失うこと、年をとること、大切なものを傷つけてしまうこと、つまりはそれが私たちの人生なの→2017/03/22
だけど松本
3
この内容でティーン向けの文庫なんだ、とちょっと驚き。私が十代の時は40おばさんの振り返りなんて読みたいと思わなかったなあ。2020/07/29
あつこ
2
お父さんからの虐待、妊娠疑惑、年上の彼、心配の塊だったオッコちゃんが突然いなくなってしまった。大人になって偶然再会して、労わるどころか友達にすごい紹介をしちゃって、嫌われるかと思ったら大切に思ってくれたけど、ほとんどが嘘だったオッコちゃん。女子特有のものが見えた気がする。2012/07/22
てまり
2
「人は川を下るように生きている」と思う作者の、あとがきが良かった。長い時間の中では、どうにもならないと思っていたことが、取り返せたりする。水量を増して太く大きくなった川ならば、大きな石を転がしもしよう、壁にぶち当たれば削り取って自分で道を作ることもできよう。心に残る表現だ。2007/12/10
鮎
1
扱ってる内容は重いがさらっと読めた。2012/09/02
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- 和書
- 明治女性史 下巻