内容説明
未曾有の災害により、被災地では多くの人が死亡または行方不明となり、いまなお身元不明の遺体も少なくない。愛すべき家族や友人、知人や同僚を亡くした悲しみ、怒り、苦悩、将来への不安、また、悲しみの中で知った人間のあたたかい絆、かすかな希望など、被災した数百万の人々には、それぞれ数百万通りの事実、物語があるはずである。その物語を前に、幸いにも生き残った者が何をすべきかを自問自答し、「今を生きる」ことの意味を考え、復興と再生のための道筋を真剣に探しその歩みを広く提言する。
目次
第1部 医療編(東日本大震災時における東北大学病院の対応と今後の医療体制復興への提言―東北大学病院は医療の最後の砦;東日本大震災からの創造的復興と東北メディカル・メガバンクプロジェクト;東日本大震災、石巻赤十字病院はかく活動した;災害救護に求められること―石巻圏合同救護チームからの提言;潰滅した病院、市民の病院をどう立て直すか ほか)
第2部 福祉編(東日本大震災下におけるセーフティ・ネットとしての所得維持政策―その連携と包括化;東日本大震災と寄付金支援―災害寄付の展開と課題;東日本大震災・福島原発事故からの再生;東日本大震災から学んだ、介護福祉施設における対応の実際と今後への提言;食と栄養からみた東日本大震災の問題点―避難所・仮設住宅への食生活支援を中心に ほか)
著者等紹介
久道茂[ヒサミチシゲル]
1939年宮城県生まれ。医学博士。東北大学大学院医学研究科内科学系専攻修了。東北大学大学院医学系研究科長・医学部長を経て、公益財団法人宮城県対がん協会会長、日本医学会副会長、東北大学出版会理事長
鴨池治[カモイケオサム]
1945年愛媛県生まれ。修士(経済学)東北大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。金融論、マクロ経済学専攻。東北大学大学院経済学研究科教授、東北大学入試センター長を経て、東北福祉大学総合マネジメント学部学部長・教授、日本金融学会常任理事。宮城地方最低賃金審議会会長、宮城地方労働審議会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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