内容説明
大正から昭和にかけて小田原で起きた2人の文学者の恋愛模様「妻君譲渡事件」の実相、日本の近代史の中の恋愛観・人間観を探る。佐藤春夫の「秋刀魚の歌」を書かしめた「小田原事件」の真実に迫り、その後の戦時下の作家活動に表われた2人の文学者の思想をたどる。
目次
序章 「小田原事件」の時代
第1章 小田原事件とは何か―谷崎潤一郎と佐藤春夫(事件のあらすじ;社会への衝撃 ほか)
第2章 和解への道程(佐藤春夫とは;それからの二人(佐藤春夫と谷崎潤一郎) ほか)
第3章 谷崎潤一郎アラカルト(素町人谷崎潤一郎;谷崎の徴兵検査と神経衰弱 ほか)
第4章 谷崎潤一郎と大正活映―対談 丸岡澄夫・ゆりはじめ(葉山三千子さんの印象;横浜と映画への関心 ほか)
著者等紹介
ゆりはじめ[ユリハジメ]
1932年、横浜生まれ。学童疎開、横浜大空襲を体験。文芸評論、元湘南工科大学講師、日本ペンクラブ・思想の科学研究会会員、疎開問題研究会代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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