出版社内容情報
言語のしくみに「イベント(事象・出来事)」がどのように関わっているかについて示す試み。イベントが関与する日英語の構文について考察し、その性質を明らかにする。
1章 導入
2章 イベント項の存在論
2.1. はじめに
2.2. 「ステージレベル述語・個体レベル述語」再考
2.3. Kratzer, Diesingのアプローチ
2.4. Kratzer, Diesingのアプローチの問題点
2.5. Davidson, Higginbothamのアプローチ
2.6. 英語におけるイベント具現
2.7. 結語
3章 存在承認の判断論と知覚構文
3.1. Thetic JudgmentとCategorical Judgment
3.2. 日本語におけるThetic Sentencesと「は」と「が」
3.3. 知覚構文(Perceptual Reports)
3.4. 日本語のThetic Sentencesと今後の課題
3.5. 英語におけるTheticityの特殊構文:There構文
3.6. 結語
4章 日英語の照応表現
4.1. 提案
4.2. 相互性の論理学の類型論
4.3. each otherの移動分析
4.4. 「お互い」構文とeach other :お互いはeach otherの対応物か?
4.5. Same/Different
4.6. 結語
【著者紹介】
井川 壽子(いかわ・ひさこ)
津田塾大学学芸学部英文学科卒業。東京学芸大学大学院修士課程英語教育専攻英語学講座修了。アリゾナ大学大学院言語学科博士課程修了(Ph.D.)。アリゾナ大学言語学科、心理学科研究助手、鶴見大学文学部専任講師を経て、現在、津田塾大学学芸学部准教授。