感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
60
これは凄い本だ。こうの史代の漫画人生がまるっと詰め込まれている。原画も美しく、元になったスケッチや自費出版の本に観察眼の鋭さも見れる。実に優しく豊かな絵だ。ロングインタビューでは、漫画への想いも語られ、単行本や関連書籍の細かい解説まである。本の隅に小学生の頃の理解ノートに描いたパラパラ漫画まで再録していて、NetGalleyで読んだのだが、これは紙の本で持ちたいなと思ってしまう。原画展が各地で開催されているようだが、ぜひ東京でもやって欲しい。原画を見てみたくなった。#NetGalleyJP2025/05/26
もちこ
29
こうの史代さんの描く、躍動感のある絵が大好きです。 『この世界の片隅に』を読んだのが、こうの史代作品との出会いでした。日常のささやかな喜びが描かれた前半から、無慈悲なことが起きる戦時下へのギャップが衝撃的でした。人の日常は、こんなふうに自然と破滅に向かっていくのか…と思い知らされました。 そんなこうのさんの仕事を振り返る本、読まないわけにはいかない! イラストやインタビューがボリュームたっぷりで掲載されていて、とても良かった。 これまでの作品の裏話を読んで、また漫画を読み返したくなりました。2025/06/04
りらこ
16
こうのさんのことは「この世界の片隅に」で知りました。この本は30年の漫画家としての歩みの集大成。なかなか贅沢な本。柔らかな画風。風を感じる絵。やさいいです。昭和のなつかしさもあります。布の柔らかさの表現が上手。少しずつマンガも載っているので、これをきっかけに何冊か読みたいものができました。2025/06/09
遠い日
5
こうの史代さんの作品は『夕凪の街 桜の国』と『この世界の片隅に』しか読んでいず、決して熱心な読者ではないのですが、画風は好きです。今回、30年の作家生活の中で生まれた作品、原画を一挙に見せていただいて、気持ちはいろいろな感情の渦に巻き込まれています。作風の変化もおもしろいし、試行錯誤が生々しく感じられて、こうのさんが描いてこられた熱量がうかがわれます。つい最近当地のローカルニュースで在住の地を知り、俄然親近感が湧きました。 巻末の「すずしろ帖」、読めてよかったです。2025/05/29
O-chami
3
漫画家生活30周年 “こうの史代” 展の図録。佐倉市立美術館 8/2 初日のライブ·ペインティングも併せて観て来ました。 本書は展示された各作品や原画の蔵出し収録は基より、長ロング·インタビューや全単行本作品解説から、詳細な年譜に至るまで読み何処ろ満載でした。 漫画の可能性を拡げる「この世界の片隅に」に代表される作品達に改めて触れるのが、八月の日々であることにも、何か合点が行くような…。 BGMは、ザ·タイガースで…「忘れかけた子守唄」🎶~「廃墟の鳩」🎶🎶🎶2025/08/18