内容説明
万葉集に詠まれた花百選。万葉びとが花の姿に託した溢れる想い。野辺の花や景色を美しい写真と文章で綴った一冊。
目次
春(アセビ・あしび;モモ・もも ほか)
夏(アサザ・あざさ;アジサイ・あぢさゐ ほか)
秋(オミナエシ・をみなへし;クズ・くず ほか)
冬(クマザサ・ササ;ミヤコザサ・ささ ほか)
もっと愉しむ万葉の花(シュンラン・らん;フキ・フキノトウ・な・はるな ほか)
著者等紹介
片岡寧豊[カタオカネイホウ]
万葉の花研究家、万葉花寧豊会主宰。華道家、小原流一級家元教授。1990年「国際花と緑の博覧会(大阪花博)」に出展し、いけ花フラワーアレンジメントコンテストで銅賞受賞。2000年「淡路花博」花の館で特別展示に出展し、国際コンテストの各部門で銀賞など多数受賞。2005年「日本郵政公社総裁表彰」を受賞。毎日文化センター、朝日カルチャーセンター、近鉄文化サロン、大阪市立長居植物園・万葉講座、などの講師。『やまと花萬葉』、『万葉の花をいける』、『野の花をいける』、『大和路の花万葉』など著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しゅてふぁん
40
植物には詳しくないので写真と一緒に歌を楽しめるのはとっても嬉しい。万葉人に限らず歌を詠む人はみんな草花に詳しくて季節の移り変わりに敏感で素敵だな。この本は歌よりも花の紹介がメインで、知らないことだらけだった。なんと中国原産のキンモクセイは雌雄異株で日本には雄株しか渡来してないらしい。不思議。雌株ってどんなだろう。2020/05/29
belle
5
テレビで万葉集に歌われた花を紹介する番組が放送されている。今月はハギ。なにか万葉集の花を解説した本をと図書館で探してこちらを借りた。著者は万葉の花研究家。いけばな小原流一級家元教授の資格をお持ちだ。私にも小原流を習った日々があった。お稽古で夏に咲くアヤメ科のヒオウギを初めて生けた時、黒い実はぬばたまと呼ぶと教えられ、これがあの枕詞の由来かと感激したことを覚えている。「ぬばたまの夜のふけゆけば久木生ふる清き川原に千鳥しば鳴く 山部赤人」。今年の秋もいつの間にか万葉人が親しみ歌に残した花が風に揺れる。2020/09/17