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内容説明
画業初期の『和漢百物語』と晩年の『新形三十六怪撰』。それぞれの全図を含む怪奇画の傑作、約100点を収録。芳年の素顔が垣間見えるコラムも充実!
目次
第1章 初期の妖怪画
第2章 和漢百物語
第3章 円熟期の妖怪画
第4章 新形三十六怪撰
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
jam
85
2017年は若冲から北斎へと流れた。浮世を映す浮世絵さながら、世の移ろいのいかに儚いことだろう。今年、太田記念美術館では月岡芳年の妖怪画展を行ったが、本作は「和漢百物語」と「新形三十六怪撰」の全図を含め、初期から晩年までの妖怪画を収録し、芳年のひととなりが伺えるコラムも掲載されている。芳年は江戸から明治を生きたが、師匠の歌川国芳が妖怪画を得意としたこともあり、その影響からか妖怪画を多く手がけたとされるらしい。が、おどろおどろしくもユーモラスな絵は、芳年自身の浮世への思いや物語性を如実に写し、印象深い。2017/09/25
麦踏
29
読友さんレビューに惹かれて。図書館本。浮世絵の知識は産毛程度のぽわぽわ。けど【浮世絵】と聞くと「ん?」と立ち止まってしまう性。とは言え血まみれ芳年の名は知らなかったのでホクホクしながら手に取ったが、ほぼ血まみれ無し。ネットで出てくる画の方が色合いも構図も刺激的。ちょっと他も探したくなった。明治期以降の作風は西洋の影響を強く感じる。表紙絵も個人的には浮世絵というよりカッコいいイラスト!これはこれでいい!私は芳年の師匠である国芳が好きなので、この機会に改めて見てみようと思う。図書館で芸術を味わうぞー(笑)2017/11/22
ベル@bell-zou
22
以前読んだ「浮世絵でみる!お化け図鑑」https://bookmeter.com/reviews/100239800 にも載っていた絵もありそうな…でも「平家物語」を読んだ今だからより興味をもって楽しむことが出来た。悪行三昧だった清盛は(でも魅力的で好きだけど)恨み呪われまくり妖怪悪霊の逸話には事欠かないのだな。頼光四天王の坂田金時が登場するたびについ"銀さん…(笑)"と思ってしまうし。月岡芳年は普段はごく普通だったそうだが一方でこういう作品を発表し続けるのはやはり精神の均衡を保ち難かったのではと思った。2022/05/06
大粒まろん
18
探していたものが、貸出中だった為、こちらを鑑賞。初期の構図や描写は精密で秀逸。個人的には円熟期の妖怪に、らしさの味わいがあった。「血みどろ絵」が個人所蔵なの!?とか、箱庭を足の踏み場もないくらい庭一面に広げてたんですねーとか、丹念に浄瑠璃などを研究したんだなーと、違うところにばかり目がいきましたが笑。絵が小さいですが、全てが素晴らしく、解説を楽しみました。ありがとうございます。2024/04/10
みや
14
太田記念美術館の「浮世絵お化け屋敷」を鑑賞後、知識を深めたくて購入。一枚の絵を描き上げるのに何日かかるのだろう?12歳で入門、21歳から本格的に活動し始め、53歳まで描き続けたから絵師人生は長いと思うが、それにしても圧倒的な数で驚く。20代と50代の揃物が全点収録されていて、変化を如実に見て取れたのが面白かった。妖怪たちは生き生きとした表情で躍動感に溢れ、恐さより愛嬌がある。睨んだり斬ったりと勇ましい人間が多いのも、妖怪の可愛らしさを際立たせていた。安達ヶ原の絵が素晴らしいから他の血みどろ絵も見てみたい。2024/09/24