内容説明
名所が女体に!?地球が性器に!?神様も、タヌキも、名作も、人気役者も…!!すべてのものをアチラに取り込むオモシロ春画、ご開帳。
目次
第1章 自然科学・教養編―男女の和合は世界の根本(信仰;自然 ほか)
第2章 はやりもの編―時代のパロディとして(ベストセラー;浄瑠璃・歌舞伎 ほか)
第3章 古典・伝統編―春画で読む名作(伝説・説話;詩歌 ほか)
第4章 番外編―みんなで楽しむ春画(双六;着せ替え絵 ほか)
著者等紹介
石上阿希[イシガミアキ]
1979年、静岡県生まれ。立命館大学文学部卒。同大学院文学研究科博士課程後期課程修了。博士(文学)。2013年に開催された大英博物館春画展のプロジェクトキュレイターをつとめる。立命館大学専門研究員を経て、国際日本文化研究センター特任助教。2010年に「近世艶本総合データベース」を公開。2015年国際浮世絵学会新人賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
空猫
26
今さらだが今でこそ予約待ちナシ。春画にも肉筆と版画があり、欲情系とお笑い系(等)があった。本作は元の真面目な作品のパロディでエロとギャグを混ぜ込んだ春画を集めたもの。江戸ではおっぱいより性器により欲情したらしく、男女とも詳細に描きすぎていてかえって奇妙、デフォルメも異常、陰毛の描写は手が込みすぎ‼その理由は全て、エロじゃなく笑いだったから⁉江戸っ子の粋だったから⁉ともかく強烈な世界。実物はもっと迫力があるのだろうな。知識や時代背景も重要で最後の山田吾朗さんとの対談(解説)がないと読みとけなかった。2017/06/26
かおりんご
22
絵画。面白い視点でまとめられていたので、読んでいて楽しかったです。春画初心者にも分かりやすい。2019/06/25
チェアー
12
春画のなかでも、欲情系ではなく、笑いや知性を必要とする作品を集めた。元ととなったタネ本も紹介されているが、細かな細工までパロっていて、その徹底ぶりには言葉がない。絵や刷りもタネ本よりも美しく感じる。江戸時代の性ってどんな位置付けだったんだろう。現在よりもオープンで明るかったんだろうか。もいそうだとしたら、それはなぜ失われたんだろう。西洋化?家父長制?2016/08/17
せの
12
細見美術館で図録とこれを買ったわたしの荷物の重さがわかるかい…? 厚さ箱の如し。展示されていた絵の結構な数がこの本の中で解説されていて面白い。局部が綿密に描かれているかと思えば女性の胸はおざなりで(笑)、着物の柄や色が豪華、背景の植物が緻密に描かれていたりする。またこれを読むと、房事の淫靡さだけでなく、どこか滑稽さをたのしむ目線を与えてくれる。こういったものを興味深く鑑賞できるこころみは面白い。2016/03/04
犬養三千代
7
お江戸のひたむきな懲りよう追及心探求心に満ち溢れた一冊。表と裏。絵師が表の作品のパロディを自ら作る。そしてまた、歌舞伎の演目もパロディにしています。黄表紙も。去年、河鍋暁斎見に行ってよかった!2020/02/28
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