小林清親―文明開化の光と影をみつめて

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  • サイズ A5判/ページ数 223p/高さ 15X21cm
  • 商品コード 9784861524806
  • NDC分類 721.9
  • Cコード C0071

内容説明

「将軍直属の御家人」は「最後の浮世絵師」になった。没後100年小林清親展公式図録。

目次

第1章 光線画(橋;街;夜;水;空;火事;動植物;名所;風俗・物語)
第2章 風刺画・風俗画
第3章 肉筆画・スケッチ
論考・資料

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かんちゃん

14
これまでなかなかまとまった画集が手に入らなかった。本書は久方ぶりに開催された小林清親展(練馬区立美術館、静岡市美術館)の展示作品を掲載した待望の画集だ。最後の浮世絵師と評され、光線画で知られる明治初頭の版画家だが、水彩画にも長けており、肉筆画も素晴らしい。輪郭線を描かず、印影のみで表現する画法は当時画期的なものだった。西洋の銅版画の技法も巧みに取り入れている。初代広重の江戸百に倣った大胆な構図の名所図も趣きがある。作品の芸術性はもちろんだが、和洋が入り混じった当時の風俗に想いを馳せるのも、また楽しい。2015/04/21

シガー&シュガー

12
手元には数葉の絵ハガキしか持っておらず、なかなかまとめて観ることが出来なかった清親の絵がどっさり楽しめる贅沢な一冊。なんといっても近代化する明治日本の風景を描く光線画が素敵。が、大正時代にはすでにこの清親描く風景が、失われた懐かしいもの(あるいは異国趣味の対象のようなもの)になってしまっていたというのは驚きでした。清親の描くこの風景たちは、ほんの一瞬、東京に出現したワンダーランドだったのですね。清親の描く風景をますます強い憧れを持って眺めてしまいそうです。ちなみに水彩画も素晴らしく巧いです。2017/07/25

とみやん📖

8
明治・大正で活躍した浮世絵師の小林清親の作品集。江戸時代の鮮明な画風とは異なり、水彩画のような淡いくて繊細な色使いが良い。 清親を代表する光線画のインパクトは強烈。 元々、池波正太郎の本の挿し絵になっていた弟子の井上安治に興味があったが、清親を先に見ることになってしまった。。。 素敵な画集なので、大切にしたい。2020/10/15

かりん

4
3:《同じ作品の複数の刷りが見られる。》出先のオシャレなカフェの書棚でパラパラと。様々な手法(?)の作品の中にあらわれる様々な空気感。そして、同作品の複数の刷りパターンが載っているのが非常に興味深い。最近版画関係の展覧会に行ったこともあり、そこに一番惹かれました。今回はパラ見だったので、また改めて作品を見てみたい。A2020/10/13

peline_s

4
たまたま見た美の巨人で猫と提灯やってて十数年前に火事と花火の絵ですごいと思った浮世絵師だ!と思い出して購入。当時は探したけど清親に関する本なんてほとんど無かったからいい時代になったもんだ。ただ火事の絵はカラー印刷だと当時の生で見た板塀の炎による舐めるような照り輝きみたいなものは感じられないなあ。浮世絵自体が印刷物なのになんで違うんだろう。やはり浮世絵も含めて日本の絵は薄暗い中で見るものなんだろうか。しかし清親の夜と(火事も含め)灯りの表現はとても好きだ。もっと見に行きたい。2018/02/08

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